2026 年 6 月 9 日、Claude Code v2.1.170 で新モデル Claude Fable 5 が利用できるようになりました。Anthropic いわく「Mythos クラスを一般利用向けに安全化したモデル」で、能力はこれまで一般提供されたどのモデルをも上回るとのことです。

本記事では、Fable 5 とは何か、Opus 4.8 とどう使い分けるか、API 連携時に何に気をつけるかを、実務目線で整理します。Opus 4.8 自体の使いこなしは Opus 4.8 を使いこなす要点 を参照してください。

Fable 5 とは — Opus の上に新設された Mythos クラス

これまで Claude のモデルは、Haiku・Sonnet・Opus の 3 ティアで構成されてきました。Fable 5 はその上に新設された Mythos クラス に属するモデルです。公式発表によると、Mythos クラスの最初のモデルは 2026 年 4 月に限定公開された Claude Mythos Preview で、Fable 5 はその能力を一般利用向けのセーフガードとともに開放したものという位置づけです。

性能面では、テスト済みベンチマークのほぼすべてで最高水準とされ、とくにソフトウェアエンジニアリング・知識労働・画像理解・科学研究を強みに挙げています。コンテキストウィンドウは 100 万トークン、最大出力は 128K トークンと、Opus 4.8 と同じ広さです。

一般利用向けのセーフガードとして、サイバーセキュリティや生物・化学分野の高リスクな依頼を検出する分類器が常時動作します。該当した場合は Fable 5 が応答を拒否するのではなく、Opus 4.8 の応答に切り替わる設計で、公式発表ではこの制約が発動するセッションは 5% 未満とされています。通常の開発作業で意識する場面はほぼないでしょう。

使い方と料金 — /model で切り替え、Opus 4.8 の 2 倍

Claude Code を v2.1.170 以上に更新すると、/model のモデルピッカーに Fable 5 が現れます。

/model

API でのモデル ID は claude-fable-5 です。料金は 100 万トークンあたり入力 10 ドル・出力 50 ドルで、Opus 4.8 (入力 5 ドル・出力 25 ドル) のちょうど 2 倍にあたります。なお、公式発表ではこれでも Claude Mythos Preview の半額未満とされています。

FIXITFIXIT

えっ、Opus より上のモデルが出たの?じゃあ全部 Fable 5 でよくない?

HayateHayate

コスパで言うと、常用は Opus 4.8 のままが正解です。料金が 2 倍なので。

FIXITFIXIT
なら、いつ使うの?
HayateHayate

切り替えるのは、失敗が高くつく場面だけです。設計判断や難しいデバッグですね。

FIXITFIXIT
切り替えって面倒じゃないの?
HayateHayate

/model で 1 コマンドです。終わったら戻すだけなので、運用は軽いですよ。

Opus 4.8 との使い分け — 難所だけ一段上げる

Opus 4.8 の記事では「既定 high・難所だけ xhigh」という effort の使い分けを紹介しましたが、Fable 5 の登場で、モデル自体にも同じ構図ができました。

  • 日常の実装・レビュー・リファクタリングは、Opus 4.8 の既定設定のままで十分です。
  • 引き返しにくいアーキテクチャ判断、原因が見えない難しいデバッグ、大規模リファクタリングの計画づくりなど、やり直しのコストが大きい場面だけ Fable 5 に切り替えます。
  • 終わったら Opus 4.8 に戻します。/model はセッション既定の保存もできるので、戻し忘れには注意してください。

速度を優先したい場面では引き続き Fast mode が選択肢になりますが、Fast mode の対象は Opus 4.8/4.7/4.6 で、Fable 5 では使えません。短い往復を高速に回す時間帯は Opus 4.8 + Fast mode、深く考えさせたい難所は Fable 5、という住み分けになります。

API 連携時の注意点 — adaptive thinking のみ

自社プロダクトや CI から Claude API 経由で Fable 5 を使う場合、リクエストの形は Opus 4.7/4.8 と同じ前提で書けます。引き継がれている仕様は次のとおりです。

  • thinking は {"type": "adaptive"} のみ対応で、budget_tokens 付きの指定は 400 エラーになります。
  • temperaturetop_ptop_k は廃止されており、送ると 400 エラーです。
  • effort は low から max まで対応し、コーディングやエージェント用途では xhigh が推奨されています。

そのうえで、Fable 5 で新しく加わった非互換が 1 つあります。thinking の {"type": "disabled"} という明示指定が 400 エラーになる点です。Opus 4.8 では受け付けられていた書き方なので、thinking を使わない場合はパラメータ自体を省略してください。

注意

Opus 4.8 から機械的にモデル ID だけ書き換えると、thinking の無効化を明示しているコードが 400 で落ちます。移行前に thinking パラメータの指定方法を確認しておきましょう。

同時期のアップデートも見逃せない — v2.1.152〜v2.1.169

Fable 5 の手前のリリースにも、運用で効く変更が入っています。

  • fallbackModel 設定が追加され、プライマリモデルが過負荷・利用不能のときに最大 3 つのフォールバックモデルを順に試せるようになりました (v2.1.166)。
  • /cd コマンドで、プロンプトキャッシュを壊さずにセッションの作業ディレクトリを移動できます (v2.1.169)。
  • --safe-mode フラグで、CLAUDE.md・プラグイン・スキル・hooks・MCP サーバーをすべて無効にした状態で起動でき、トラブルシューティングの切り分けに使えます (v2.1.169)。
  • dynamic workflows のトリガーキーワードが workflow から ultracode に変わりました。普通の文章に「workflow」と書いても誤発動しなくなっています (v2.1.160)。
  • /model での選択が新規セッションの既定として保存されるようになりました。今のセッションだけ変えたいときはピッカーで s キーを押します (v2.1.153)。

まとめ

Fable 5 の登場で、モデル選択は「常用の Opus 4.8 と、難所用の Fable 5」という 2 段構えになりました。料金が 2 倍なので常用には向きませんが、やり直しのコストが大きい判断にだけ投入するなら、十分に元が取れる選択肢です。まずは難しいデバッグや設計レビューで一度試し、Opus 4.8 との差を自分のタスクで確かめてみてください。

Claude Code の直近のアップデート全体は 2026 年 5 月アップデートまとめ を、導入と定着の進め方は Claude Code を実務に導入する完全ガイド を参照してください。AI 開発ツールの社内定着の支援は AI 開発ツール定着支援 で行っています。