Cursor は VS Code をベースにした AI エディタで、英語前提のまま使っている人も多いツールです。ですが少し設定するだけで、UI もメニューも日本語表示になり、AI の回答も毎回日本語で返るようになります。この記事では、FIXIT のエンジニアが日本語プロジェクトで実際に使っている設定を 10 個、UI の日本語化から AI 応答の固定、日本語コメント生成、IME のトラブル対処まで順番にまとめました。上から順に設定すれば、日本語環境で Cursor が一気に使いやすくなります。

まだ Cursor を入れたばかりという人は、先にCursor 導入の始め方に目を通してから戻ってくると理解が早いはずです。

1. UI を日本語表示にする(言語パックの導入)

Cursor は VS Code 互換なので、Microsoft が配布している日本語言語パック「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をそのまま使えます。拡張機能パネル(Cmd + Shift + X / Ctrl + Shift + X)で「Japanese Language Pack」を検索してインストールすると、再読み込みを促すダイアログが出ます。再起動すると、メニューバーや設定画面、コマンドパレットがすべて日本語表記に切り替わります。

もしダイアログを閉じてしまった場合は、コマンドパレット(Cmd + Shift + P)で「Configure Display Language」と打ち、ja を選べば手動で適用できます。表示言語は locale.json という設定ファイルに保存されるので、一度設定すれば次回以降も日本語のままです。

2. 設定画面・コマンドパレットを日本語で操作する

言語パックを入れたあとは、設定項目の検索も日本語が効きます。Cmd + , で設定を開き「フォント」「自動保存」などと日本語で検索すれば該当項目に飛べます。コマンドパレットも「ファイル」「ターミナル」といった日本語のキーワードでコマンドが引けるようになるため、英語のコマンド名を覚えていなくても操作できます。

ただし Cursor 固有の AI 機能(Composer や Chat パネルなど)の一部ラベルは英語のまま残ることがあります。これは Cursor 独自の UI であり VS Code の言語パックの対象外だからです。エディタ本体は日本語、AI パネルは一部英語、という状態は仕様だと理解しておくと混乱しません。

3. AI の回答を日本語に固定する(Rules で言語指定)

UI を日本語にしても、AI の回答は英語で返ってくることがあります。これを根本的に解決するには、プロジェクトルールで言語を明示するのが最も確実です。プロジェクトのルートに .cursor/rules/ ディレクトリを作り、次のような内容のファイルを置きます。

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description: 言語と回答スタイルの基本ルール
alwaysApply: true
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- ユーザーへの説明・回答はすべて日本語で行う。
- コード内のコメントも日本語で書く(英語の用語はそのまま使ってよい)。
- 技術用語(関数名・ライブラリ名など)は無理に翻訳しない。

alwaysApply: true を付けると、このルールが常にコンテキストへ読み込まれ、Chat でも Composer でも日本語で返るようになります。ルールファイルの書き方や description の使い分けはCursor のルール (.mdc) 設定ガイドで詳しく解説しています。

4. 単発で日本語を指定するプロンプトの定型

ルールを置くほどでもない場面では、プロンプトの先頭で言語を指定すれば十分です。「以降の回答はすべて日本語で。コードコメントも日本語にしてください」と一度伝えるだけで、その会話の間は日本語で返ってきます。

英語混じりの回答に戻ってしまったときは、「日本語で」と短く打つだけでも軌道修正できます。プロジェクト全体に効かせたいときはルール、その場限りでよいときはプロンプト、と使い分けるのがコツです。

5. 日本語コメントを安定して生成させる

日本語コメントを書かせると、半角と全角が混在したり、句点が抜けたりすることがあります。ルールに具体的な書式を足すと出力が安定します。たとえば「コメントの文末は句点で終える」「JSDoc の説明文は日本語、@param のタグ名は英語のまま」のように、粒度を指定してあげると意図どおりに揃います。

既存コードのコメントスタイルに寄せたいときは、参考にしたいファイルを @ファイル名 でコンテキストに含めてから依頼すると、Cursor がそのトーンを踏襲してくれます。新規に書かせるより、既存の良いサンプルを見せるほうが結果が安定するという感覚です。

6. コミットメッセージを日本語で生成する

Cursor のソース管理パネルには、ステージした差分からコミットメッセージを自動生成する機能があります。初期状態では英語で生成されることが多いので、ここも Rules で方針を決めておきます。「コミットメッセージは日本語で書く」「feat: fix: などの prefix は英語のまま、本文は日本語」といった具合に指定しておけば、チーム内の表記も自然に揃います。

Conventional Commits の prefix を残しつつ本文だけ日本語にする運用は、日本語チームと CI ツールの両立がしやすく、FIXIT でも採用しています。

7. 日本語入力・IME 周りのトラブルと対処

日本語入力でつまずきやすいのが、変換確定の Enter がそのままチャット送信や改行として扱われてしまうケースです。Cursor の Chat 入力欄では、変換中の Enter は確定、確定後の Enter で送信、という挙動が基本ですが、IME や OS の組み合わせによっては変換途中で送信されてしまうことがあります。その場合は、確定操作を Space での候補確定に寄せる、あるいは送信を Cmd + Enter 側に意識的に分けると誤爆が減ります。

エディタ本体で変換確定の Enter が余計な改行を生む場合は、Cmd + , の設定で「Editor: Accept Suggestion On Enter」を offsmart に変えると、AI 補完の確定と IME の確定がぶつかりにくくなります。

8. 文字化けを防ぐ(エンコーディングと改行コード)

ファイルを開いたときに日本語が文字化けする場合、多くは文字コードの推定ミスです。設定で「Files: Encoding」を utf8 に固定すると、新規ファイルが常に UTF-8 で保存され、化けにくくなります。すでに化けて見えるファイルは、画面右下のエンコーディング表示をクリックして「エンコード付きで再度開く」から Shift JIS などを選び、正しく読めたら改めて UTF-8 で保存し直します。

改行コードも合わせて「Files: Eol」を \n に揃えておくと、日本語コメントを含むファイルの差分が CRLF/LF の違いで荒れるのを防げます。チームで OS が混在しているプロジェクトでは特に効きます。

9. 日本語ドキュメントを @docs で読ませる

Cursor の @docs 機能を使うと、外部ドキュメントの URL をインデックス化して AI のコンテキストに含められます。社内の日本語仕様書や、日本語で書かれたライブラリのドキュメントを登録しておけば、Chat で @docs から指定するだけで、その内容を踏まえた日本語の回答が得られます。

日本語の API ドキュメントを登録しておくと、「この仕様に沿って実装して」と日本語で頼んだときに、用語や言い回しまでドキュメントに寄せてくれます。英語の公式ドキュメントしかない場合でも、要点をまとめた日本語メモを 1 枚作って読ませるだけで、回答の精度と日本語の自然さが両方上がります。

10. チームで日本語ルールを共有する

ここまでの設定のうち、個人の環境に閉じるもの(言語パック、IME、エンコーディング)と、チームで揃えたいもの(AI の応答言語、コメント書式、コミットメッセージ)は分けて考えると運用がきれいになります。後者は .cursor/rules/ 配下のファイルとして Git にコミットしてしまえば、リポジトリをクローンした全員に同じルールが効きます。

FIXIT の日本語プロジェクトでは、.cursor/rules/ に「回答は日本語」「コメントは日本語、用語は原語のまま」「コミットは prefix 英語・本文日本語」といったルールを 1 ファイルにまとめ、alwaysApply: true で常時適用しています。これに UTF-8 固定と LF 統一を .vscode/settings.json で合わせておけば、誰が触っても日本語まわりの挙動がブレません。新しくジョインしたメンバーが個別に設定して回る手間がなくなり、レビューで「コメントが英語になっている」といった指摘も激減します。

日本語化はやることが多いように見えますが、効くのは「言語パック」「応答言語の Rules 化」「UTF-8 と LF の固定」の 3 点が中心です。まずこの 3 つを押さえ、残りは必要になったタイミングで足していけば、Cursor を日本語環境でストレスなく使えるようになります。

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