2026 年 10 月 8 日に、課金先と依頼元の設定が加わりました
GitHub は 2026 年 10 月 8 日、Copilot code review に管理者向けの設定を 2 つ追加しました。1 つは、レビューの課金先を既定のメンバー個人から、組織のコストセンターへ切り替える設定です。もう 1 つは、組織外の個人ライセンスを持つ人によるレビュー依頼を止める設定です。一次情報は GitHub の変更履歴 です。
どちらも設定画面で選ぶだけで、発表には期限の記載がありません。ただし、課金先の切り替えには、組織で AI Credits の従量課金を有効にしておく前提があります。8 月に発表された課金の全体像は GitHub Copilot の課金変更まとめ で扱っています。この記事では、10 月 8 日の 2 つの設定だけを見ます。
FIXITレビューのお金って、いまは誰に付いてるの?
Tsukasa結論から言うと、既定ではメンバー個人です。そこを組織に寄せられるのが今回の変更です。
| 設定 | できること | 前提 |
|---|---|---|
| 課金先の切り替え | 課金先を Member から Organization に変える | AI Credits の従量課金が有効 |
| レビュー依頼元の制限 | 組織や企業のライセンスを持たない人の依頼を止める | 発表に前提の記載なし |
現状の課金は、AI Credits と Actions minutes の 2 本立てです
切り替えの前に、いまの課金を確認します。公式ドキュメント によれば、Copilot がプルリクエスト (PR) や IDE のコードをレビューするたびに、AI Credits が消費されます。課金は、レビュー自体のモデル利用にかかる AI Credits と、エージェント機能にかかる GitHub Actions minutes の 2 つです。
誰に付くかについても、ドキュメントに記載があります。
- リポジトリが自動でレビューを依頼したとき、AI Credits の消費は PR の作者に付く
- 別の人が手動で依頼したとき、消費はその人に付く
- Copilot ライセンスを持たないメンバーが使うとき、消費は組織または企業に追加の従量課金として付く
ライセンスを持たないメンバーの利用には、2 つのポリシーが必要です。先に AI Credits の従量課金を有効にし、そのうえで「Allow members without a Copilot license to use Copilot code review in GitHub.com」を有効にします。後者は既定で無効です。
目安の金額も、同じドキュメントにあります。1 回のレビューは、Lite で 0.05〜1 ドル、Balanced で 0.25〜5 ドルの AI Credits を消費するとされています。あくまで目安なので、実額は請求画面で確認してください。
課金先を組織のコストセンターに切り替える
今回加わったのは、ライセンスを持つメンバーの課金先を選ぶ設定です。発表によれば、場所は組織の設定の Copilot > Policies で、項目名は「Choose how members with a Copilot license are billed」です。
選択肢は次の 2 つです。
| 選択肢 | 課金先 | 備考 |
|---|---|---|
| Member | メンバー個人の Copilot の枠 (既定) | 枠を使い切ると失敗すると説明されている |
| Organization | 組織のコストセンター | AI Credits の従量課金が有効であることが必要 |
Organization を選ぶと、費用は個人ではなく組織の請求に集まります。発表には、予算を設定できるとも書かれています。ただし、予算の設定は任意です。
切り替える前に、どのコストセンターに費用を付けるかを経理と決めておくと、月末の突き合わせが楽になります。
発表の本文には、次の点が書かれていません。
- Organization を選んだとき、どのコストセンターに紐づくか
- 個人の枠が残っている場合、先にどちらが使われるか
- 1 回あたりの単価と、AI Credits の消費量
書かれていないことを推測で決めずに、請求画面と公式ドキュメントで確かめてください。
組織外の個人ライセンスによる依頼を止める
もう 1 つの設定は、レビューを依頼できる人を絞るものです。設定名は「Only allow Copilot code review to be triggered by authorized users」です。公式ドキュメント では、組織または単一のリポジトリで有効にできると説明されています。
有効にすると、次のようになります。
- 権限のない人には、レビュアーとして Copilot が表示されない
- その人が API 経由で依頼しても、レビューが始まらない
対象は、組織や企業が提供したライセンスを持つ人に絞られます。個人で契約した Copilot や、外部のライセンスでは、この組織の PR にレビューを依頼できなくなります。業務委託の人や外部のコントリビューターが自分の契約でレビューを依頼できる状態を、止めたい組織向けの設定です。
優先関係も確認しておきます。発表によれば、組織の設定はリポジトリ管理者の設定に優先し、リポジトリ側で上書きできません。リポジトリ管理者が「このリポジトリだけは許可したい」と考えても、組織が止めている依頼元は許可し直せません。例外を認めたいときは、組織オーナーに相談する経路を先に決めておくと、現場が迷いません。
発表は、個人リポジトリ、自動レビュー、API 経由の依頼での適用の細かい条件は公式ドキュメントを見るよう案内しています。この記事では、そこまでは確認していません。
FIXIT外部の人が自分のライセンスで頼んでくるのを、止めたいときはどうするの?
Tsukasa判断の軸は、誰のライセンスで誰の PR を読ませるかです。組織側でこの設定を有効にします。
切り替え前に確かめる項目
以下は公式の手順ではなく、この記事が提案する進め方です。
- 組織で AI Credits の従量課金が有効になっているか確認する
- 現在の課金先が Member のままになっていないか、設定画面で確認する
- 費用を付けるコストセンターと、予算の上限を経理と決める
- 組織外のライセンスでの依頼を止める方針かどうかを決める
- 例外を認めるときの窓口 (組織オーナー) を決めて、リポジトリ管理者に伝える
- 切り替えたあとの請求画面で、レビューの費用が想定した先に付いているか確認する
6 の確認は、切り替えた直後の数日分で十分です。発表本文に紐づけ先の詳細がないため、実際の請求で確かめるのが確実です。
とくに 2 は見落としやすい点です。既定が Member なので、何もしなければ個人の枠に課金され続けます。Copilot ライセンスを配っているのに、組織の請求にレビュー費用が出てこないときは、この設定が原因かもしれません。
FIXIT の運用
AI 駆動開発のクリエイティブスタジオである FIXIT では、AI のコードレビューを使う組織にとって、費用の持ち主と、誰のライセンスでレビューを依頼するかを先に決めておくことが運用の土台になると考えています。
設定自体は小さな変更です。ただし、請求の持ち主と情報の出入りを決める設定なので、導入時に一度、管理者と経理が同じ画面を見て決めておくと後で揉めません。
まとめ
10 月 8 日の変更は、課金先を組織のコストセンターに寄せる設定と、組織外の個人ライセンスによる依頼を止める設定の 2 つです。どちらも期限の記載は無く、前者は AI Credits の従量課金の有効化が前提です。単価と消費量は発表に無いため、請求画面で確かめてください。
次の一歩は、組織の Copilot > Policies を開いて、いまの課金先が Member のままかを確認することです。レビューの運用設計は AI コードレビューの設計、PR の承認は Copilot の PR 承認 で扱っています。Copilot をはじめとする AI 開発ツールの管理設計は、AI 開発ツール定着支援 でご相談いただけます。自社の状況を踏まえて検討したい方は、お問い合わせ からご連絡ください。



