Copilot Fusion が一般提供になった

GitHub は 2026 年 10 月 28 日付の告知で、Copilot Fusion の一般提供を発表しました。Fusion は新しいモデルではありません。モデルピッカーで Copilot Fusion を選ぶと、タスクごとに使うモデルと実行方式が自動で決まり、1 つの回答として返ります。一次情報は GitHub の変更履歴 と GitHub Docs です。

本記事は、この 2 つとローカルモデル対応の変更履歴の、公開時点の内容に基づきます。

Fusion は、リサーチプレビューだった Project HydraFusion の複数モデルの組み合わせと、Copilot の自動モデル選択を合わせたものです。プレビューの仕組みは HydraFusion の記事、自動モデル選択は Auto のティアの記事 で扱っています。本記事は、一般提供後の強度、対象プラン、費用、管理者の設定に絞ります。

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Fusion って、新しいモデルが出たってこと?

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いいえ。モデルを選ぶ代わりに、どのモデルをどう使うかを Copilot に任せる選択肢です。

Fusion の仕組みと 3 つの実行方式

Docs によると、Fusion は推論、コード生成、デバッグ、ツール利用の各能力を見て、タスクごとに実行方式を選びます。方式は次の 3 つです。

実行方式動き
Single1 つのモデルがそのまま完了させる
Cascade効率のよいモデルが下書きし、判定役が採用するか、強いモデルに上げるか決める
Critique1 つのモデルが下書きし、複数のモデルが並行して批評し、元のモデルが直す

方式は依頼 (プロンプト) ごとに選ばれるため、1 つのセッションの中でも変わることがあります。レビューのためのモデル呼び出しは、タスクに必要なときだけ追加されます。進行中は各ステップと使用中のモデルが表示されますが、最終的に見える回答は 1 つだけです。応答の下の強度名にカーソルを合わせると、使われたモデルを確認できます。

人が選ぶのは強度だけで、方式と使うモデルは Fusion が決めます。Docs は、実行方式とモデルの候補が今後変わる可能性があると明記しています。

Standard・High・Max の違いと対象プラン

選べる強度は 3 つです。Docs の説明と、対象プランをまとめます。

強度優先すること向いている作業対象プラン
Standard費用・品質・待ち時間のバランス日常の作業。タスクごとに 1 つのモデル全プラン
Highバランスの取れた組み合わせと、適度なトークン節約複雑な不具合や複数ファイルの変更など、範囲の定まった作業Pro+・Max・Business・Enterprise
Max最高水準の能力。トークン効率も考慮する最も深い推論と分析が要る作業Pro+・Max・Business・Enterprise

Free・Student・Pro で使えるのは Standard だけです。Docs にはほかに Fast という強度もあります。利用者は選べず、VS Code のインラインチャットでだけ使われます。

プレビューで auto、HydraFusion、HydraFusion Max を有効にしていた人は、対応する強度に自動で移されます。変更履歴は、どれがどの強度に対応するかまでは書いていません。移行後は、選ばれている強度をピッカーで確認してください。

使えるクライアント

使えるのは VS Code、Copilot アプリ、Copilot CLI、JetBrains です。変更履歴は、ほかのクライアントへの対応を「近日」と案内していて、時期は書いていません。

Fusion が選べるモデルが 1 つも使えない場合、モデルピッカーには Fusion が表示されません。プランに含まれないモデルのほか、管理者のポリシー、データレジデンシーや FedRAMP の制限で使えないモデルは、候補から外れます。

料金と 30% 割引の期限

Fusion に固有の料金はありません。使ったモデルごとに、そのモデルの通常料金がかかります。モデルの単価と AI クレジットの考え方は、Copilot の課金変更の記事 にまとめています。

有料プランでは、期間限定で、Fusion を使うときのモデル費用が 30% 割引になります。変更履歴には終了日がありません。Docs は 2026 年 11 月 30 日まで と書いています。

High と Max は 1 つのタスクに複数のモデルを使うことがあり、Standard より多くの AI クレジットを使う場合があります。Docs は、会話の主なやり取りを可能な限り同じモデルに置いてキャッシュを生かし、批評役などの補助モデルには必要な文脈だけを渡すと説明しています。

GitHub は変更履歴で、Fusion Max が Artificial Analysis の Coding Agent Index で 60 点となり、Opus 5.5 を Max で使った Claude Code と 2 点差以内だったと書いています。同じ投稿は、1 タスクあたりの API 費用の平均がおよそ半分、トークンはおよそ半分、時間はおよそ 40% 少ないとも述べています。これは GitHub が示した数字で、個別の作業での費用を保証するものではありません。

注意

割引は 2026 年 11 月 30 日までです。それ以降は、使ったモデルの通常料金になります。High と Max を常用する前に、割引後の費用で収まるかを確認してください。

管理者が確認すること

Fusion が使うのは、企業 (Enterprise アカウント) と組織のモデルポリシーで有効なモデルだけです。変更履歴と Docs によると、企業の管理者は次のことができます。

  • Fusion がどのモデルから選ぶかを確認する
  • モデルごとの実効的なポリシーの状態を設定する
  • 特定のモデルを、Fusion だけで無効にする。ほかの機能では使えるままにできる
  • 企業の管理設定 (Enterprise managed settings) で、いずれかの強度の Fusion を既定のモデルにする

「Fusion だけで無効にする」は、データの扱いやコストの理由で、特定のモデルだけ Fusion に使わせたくない組織に向いています。既定の有効化の考え方は、既定の有効化ポリシーの記事 で扱っています。

使うときの注意

Docs が挙げる制限は次の 3 つです。

  • Fusion はサブエージェントとは別に動き、サブエージェントを起動しない
  • 破棄された下書きがワークスペースのファイルを変更していても、その変更は自動では元に戻らない。コミットの前に確認する
  • 実行方式とモデルの候補は、今後変わる場合がある

Docs によると、途中の下書きは直されたり破棄されたりするため、画面には最終的な回答だけが表示されます。差分は毎回確認してください。

ローカルモデルの選択は、実験的なプレビューです。MAI Code 1.1 Flash や Qwen3.8 Flash Next を端末で動かし、Standard のときだけ使えます。ただし、ルーティングの判断はクラウドで行われるため、セッションがオフラインになるわけではありません。ローカルモデルは、クラウドのモデルと安全対策が異なる可能性があります。

割引期間内の試し方

以下は公式の推奨ではなく、本記事の提案です。

  1. まず Standard を選び、普段の依頼を数件流す
  2. 同じ依頼を、High や Max (対象プランのみ) でも流す
  3. 比べる軸は、テストの成否、手直しの量、消費した AI クレジットにする
  4. 差が出ない作業は Standard のまま、差が出る作業だけ High や Max に上げる

割引が終わる 2026 年 11 月 30 日の前に比べておけば、通常料金でも使い続けるかを、自分の作業の結果で決められます。Fusion が選んだモデルは応答の下で確認できるので、結果と合わせて記録しておくと、あとで見直せます。

FIXIT の運用

AI 駆動開発のクリエイティブスタジオである FIXIT は、モデルの入れ替わりが早い前提で、作業の種類ごとに使うモデルを決めておく運用を勧めています。Fusion は、その振り分けの一部を製品側に任せる選択肢です。任せる範囲と、人が確認する範囲を先に決めておくと、強度を上げる判断がぶれません。

本記事は公式情報の整理で、FIXIT による Fusion の性能検証の結果ではありません。

まとめ

論点内容
提供開始2026 年 10 月 28 日。VS Code、Copilot アプリ、Copilot CLI、JetBrains
強度Standard・High・Max。Free・Student・Pro は Standard のみ
実行方式Single・Cascade・Critique。人は選べない
料金追加料金なし。モデルごとの通常料金。有料プランは 2026 年 11 月 30 日まで 30% 割引
管理者企業の管理者は Fusion だけでモデルを無効にできる。既定の強度も設定できる
注意破棄された下書きのファイル変更は自動で戻らない

次の一歩は、割引が終わる前に、Standard と上位の強度を同じ依頼で比べることです。管理者は、Fusion が選べるモデルと、除外したいモデルを確認してください。ツールの選定や定着を整えたい場合は、AI 開発ツール導入支援 でご相談いただけます。状況が固まっていなくても、お問い合わせ からご連絡ください。