移行先が 9 日で入れ替わる

2026 年 8 月 11 日、GitHub Copilot に Microsoft の小型コーディングモデル MAI-Code-1.1-Flash の提供が始まりました。同じ日に、旧世代の MAI-Code-1-Flash を 2026 年 9 月 10 日に廃止する 予告も出ています。

コスパで言うと、これは単なる世代交代ではありません。日付の並びが問題です。

日付起きること
8 月 11 日MAI-Code-1.1-Flash の提供開始 (順次展開)
9 月 1 日Raptor Mini が廃止。公式の代替は MAI-Code-1-Flash
9 月 10 日その MAI-Code-1-Flash が廃止

9 月 1 日の廃止に合わせて Raptor Mini から MAI-Code-1-Flash へ移す段取りを組んでいると、9 日後にもう一度移ることになります。 9 月 1 日の廃止そのものは GitHub Copilot で 6 モデルが 9/1 廃止 にまとめたとおりで、そのときの対応表には MAI-Code-1-Flash が代替として載っていました。

結論としては、移行先を最初から MAI-Code-1.1-Flash にしておくのが速いです。 以下、そのために確認する点を並べます。

何が変わったモデルなのか

公式の changelog で挙げられている変更点は次のとおりです。

  • 画像を理解するネイティブ vision 対応
  • コーディング品質・指示への追従・ツール利用・性能の改善
  • MAI-Code-1-Flash より 73% 低い提供価格 (list price)

価格の扱いは 2 通りあります。使用量ベースの課金では提供元の list price で請求され、年間プランの GitHub Copilot 契約者では 0.25× のプレミアムリクエスト換算 になります。上位モデルを 1× や 1 リクエスト以上で消費する構成と比べると、4 分の 1 の消費で回せる計算です。

小型モデルの位置づけとして、ここが実利のあるところです。性能が上がって単価が下がったので、「軽い作業を安いモデルに寄せる」振り分けが以前より成立しやすくなりました。

プラン別の使えかた

同じ「全 SKU 対応」でも、選び方が分かれます。

プラン手動選択自動選択
Free / Student不可対象
Pro / Pro+ / Max / Business / Enterprise対象

Free と Student では、モデル一覧から自分で選ぶことはできません。自動選択の対象に入るだけです。 裏を返すと、無料枠で使っている人は設定を触らなくても、いつのまにかこのモデルで動く場面が出てきます。

使える場所は広く、CLI、クラウドエージェント、GitHub Copilot アプリ、VS Code、Visual Studio、GitHub Mobile、JetBrains 系 IDE、Eclipse、Xcode が挙げられています。特定の IDE だけ取り残される心配は要りません。

補足

展開は 8 月 11 日から順次です。有効化したのに一覧へ出ない場合、まだ自分のアカウントに届いていない可能性があります。数日おいて再確認してください。

管理者が先に済ませること

Business と Enterprise では、MAI-Code-1.1-Flash のポリシーが既定で無効 です。ここを有効化しないと、開発者側のモデル一覧には出ません。

やることは 3 つです。

  1. Copilot 設定のモデルポリシーで MAI-Code-1.1-Flash を有効化する
  2. VS Code か GitHub.com のモデルセレクターで、実際に選べるかを確認する
  3. Raptor Mini から MAI-Code-1-Flash へ寄せる案内を出していたら、宛先を差し替える

3 番を飛ばすと、9 月 1 日の案内どおりに動いた人が 9 月 10 日にもう一度止まります。案内の宛先を先に直しておくほうが、問い合わせの総量が減ります。

なお、廃止されたモデルをポリシーから消す作業は不要です。削除は自動で行われます。

FIXITFIXIT
えっ、9 日しか使えないモデルに移すの?
HayateHayate

移さないほうが速いです。最初から 1.1 を有効化しておけば 1 回で済みます。

FIXITFIXIT
じゃあ 9 月 1 日の案内はどうするの?
HayateHayate

宛先だけ差し替えてください。手順自体は同じ設定画面なので変わりません。

開発者側で起きること

現場での変化は小さめです。モデル名を明示せず既定のまま使っているなら、実質的な影響はほとんどありません。

影響が出るのは、モデル名を固定で書いている箇所 です。設定ファイル、社内の手順書、CI から呼ぶスクリプト。MAI-Code-1-Flash と書いてある場所が残っていると、9 月 10 日以降に無効な指定になります。

使い分けの目安で言うと、この階層のモデルを指名するのは次のような作業です。

  • 定型的な補完や短い書き換え
  • テストの雛形出し
  • コミットメッセージや差分の要約

いずれも、やり直しの安い作業 です。逆に、設計判断を含む改修や、失敗すると手戻りが大きい作業を単価だけで下の階層に寄せると、結果的に高くつきます。階層をどう分けるかの考え方は AI コーディングツールの選び方 に整理しました。

二段移行を 1 回で終わらせる段取り

まとめると、9 月 10 日までにやることは次の順です。

  1. いま MAI-Code-1-Flash を指定している箇所を洗い出す (設定・手順書・スクリプト)
  2. モデルポリシーで MAI-Code-1.1-Flash を有効化する
  3. 洗い出した箇所を MAI-Code-1.1-Flash に書き換える
  4. Raptor Mini からの移行案内を出していれば、宛先を差し替える

1 番を先に置いているのは、書き換える対象が見えていないと 2 回目の移行でまた同じ作業が発生する ためです。今回のように短い間隔で世代が動くモデルでは、指定を 1 か所に集めておくほうが後が楽になります。

Copilot に限らず、モデルの廃止予告は数か月おきに届きます。そのたびに全社へ長い説明を配るより、「モデル名を書く場所は 1 か所」という状態を作っておくほうが、通知のたびの作業が軽くなります。

まとめ

  • MAI-Code-1.1-Flash が 2026 年 8 月 11 日から Copilot の全 SKU に順次展開されている
  • 旧モデルの MAI-Code-1-Flash は 2026 年 9 月 10 日に全サーフェスで廃止される
  • 9 月 1 日の Raptor Mini 廃止で MAI-Code-1-Flash へ寄せると、9 日後にもう一度移ることになる
  • Business・Enterprise は既定で無効。管理者がモデルポリシーで有効化する必要がある
  • 旧モデル比で 73% 低い提供価格、年間プラン契約者は 0.25× のプレミアムリクエスト換算
  • 現場の作業は、モデル名を固定で書いている箇所の書き換えだけで足りる