2026 年 9 月 23 日、Anthropic は Claude Code の Cloud sessions を一般提供 (GA) へ移行しました。ノート PC を閉じても処理が続く、Anthropic が管理するクラウド上で Claude Code を動かす仕組みです。あわせて、既存の Pro・Max 契約者には請求期限つきの一時クレジットが配られていると報じられています。
先に結論を 3 つ挙げます。
- 対象は Pro・Max・Team と、Enterprise のプレミアムシートまたは Chat + Claude Code シート。通常の Enterprise 座席は対象外です
- クラウド VM への追加課金は無いものの、利用枠 (レートリミット) はローカルを含むアカウント全体で共有されます
- 一時クレジット (Pro $100 / Max $250) は公式ヘルプセンター・公式ブログのどちらにも記載が無く (2026 年 9 月 24 日時点)、公式開発者アカウントの投稿とそれを転載した複数の媒体に基づく情報として扱います
この記事は、公式ブログ と 公式ドキュメント で確認できる範囲を土台に、claude --cloud の使い方、利用枠の扱い、クレジット情報の確度を整理します。Claude Code をまだ導入していない場合は、先に Claude Code のインストールから初期設定まで を済ませてください。
Cloud sessions とは何か|旧「Claude Code on the web」からの改称
公式ドキュメントは Cloud sessions を次のように説明しています。
A cloud session is a Claude Code session that runs on cloud infrastructure instead of on your machine. [...] The session keeps running after you close your laptop, and you can check on it or steer it from any device.
手元のマシンではなく、クラウド上のインフラで動く Claude Code のセッションという定義です。ノート PC を閉じても処理は止まらず、別の端末から進捗確認や指示出しができます。ブラウザからの入り口である claude.ai/code は、引き続き「Claude Code on the web」とも呼ばれており、変わったのは機能全体の呼び方のほうです。
対象プランは、公式ブログの記載がもっとも正確です。
Cloud sessions (previously known as Claude Code on the web) are now generally available for Pro, Max, and Team users, and for Enterprise users with premium seats or Chat + Claude Code seats.
Pro・Max・Team は座席の種類を問わず対象です。一方 Enterprise は、プレミアムシートまたは Chat + Claude Code シートという条件つきで、通常の座席契約すべてが対象になるわけではありません。自社の Enterprise 契約がどちらの座席かは、契約管理者への確認が必要です。Pro・Max・Team・Enterprise の違いそのものに迷う場合は、Claude Code を法人で導入するには を参照してください。
利用枠と料金|追加のクラウド VM 課金は無いが、レートリミットは共有
公式ドキュメントの Limitations 節には、利用枠の扱いが次のように書かれています。
cloud sessions share rate limits with all other Claude and Claude Code usage within your account. Running multiple tasks in parallel consumes more rate limits proportionately. There is no separate compute charge for the cloud VM.
要点は 2 つです。クラウド VM を動かすこと自体に追加の課金は発生しません。ただし利用枠は、ローカルのターミナルやブラウザチャットを含むアカウント全体で共有されており、複数のタスクを並列で走らせれば、その分だけ枠を余計に消費します。
「クラウドセッションを増やせば、追加コスト無しで処理能力を何倍にもできる」という理解は正確ではありません。並列で走らせた分だけ、いつもの 5 時間ウィンドウや週次の上限に早く到達します。上限が変わった経緯は Claude Code の週次上限の記事 に、上限を自分のタイミングで戻す limit reset の扱いは Claude のリセットの記事 にまとめています。Cloud sessions を使う場合も、上限そのものの仕組みは変わりません。
使い方|5 つの開始経路と claude --cloud の基本
公式ドキュメントが挙げる開始経路は次の 5 つです。
| 経路 | 始め方 |
|---|---|
| ブラウザ | claude.ai/code を開く (Claude Code on the web と同じ入り口) |
| モバイル | Claude アプリの Code タブ |
| デスクトップ | セッション開始時に Local ではなく Cloud を選ぶ |
| ターミナル | claude --cloud |
| Routines | スケジュール実行・イベントトリガーの実行が Cloud session として動く |
ターミナルからは、タスクの説明を添えて次のように実行します。
claude --cloud "Fix the authentication bug in src/auth/login.ts"公式ドキュメントの説明によると、このコマンドはクラウド VM 上に新しいセッションを作ります。クローンされるのは現在のディレクトリの GitHub リモートで、いま手元でチェックアウトしている内容ではなく、現在のブランチの状態が使われます。手元に未 push のコミットが残っている場合は、先に push してから実行してください。古い --remote という表記も、--cloud の非推奨エイリアスとして引き続き動作します。
--cloud を使うには、Anthropic のアカウントでログインしている必要があります。Amazon Bedrock や Google Cloud など、他社のプラットフォーム経由で Claude Code を使っている場合は使えません。組織のポリシー allow_remote_sessions も有効にしておく必要があり、Owner が claude.ai の管理画面で切り替えます。
FIXIT5 つも入り口があると、結局どこから始めればいいの?
Kaname運用に乗せるなら、まずはターミナルの claude --cloud で試すのが早いです。手元の作業を止めずに投げられます。
既存セッションに追記する
すでに走っているクラウドセッションへ指示を足すときは、-p とセッション ID を組み合わせます。
claude -p "テストが落ちている原因も見てください" --cloud session_01DiUkqY2kzbUbDmW1w96rfi公式ドキュメントによると、このコマンドはログイン中のアカウントであれば別のマシンからでも実行でき、返信を待たずにメッセージをキューへ送って終了します。--output-format json を付ければ、成功時は {ok, session_id, url}、失敗時は {ok: false, session_id, error} という機械可読な形式で結果を受け取れます。
クラウドから手元に戻す — --teleport
クラウドで進めたセッションを、続きから手元のターミナルで作業したいときは --teleport を使います。
claude --teleport session_01DiUkqY2kzbUbDmW1w96rfiセッション ID を指定しなければ対話的な選択画面が開きます。すでにセッション内にいる場合は /teleport (または /tp) でも同じ選択画面を呼び出せます。ほかにも、/tasks の一覧から t を押す方法、claude.ai/code のセッションメニューから Open in > Terminal を選ぶ方法があります。公式ドキュメントは、CLI からの受け渡しが一方向であることも明記しています。
From the CLI, session handoff is one-way: you can pull cloud sessions into your terminal with --teleport, but you can't push an existing terminal session to the cloud.
同じ箇所で、デスクトップアプリの Continue in メニューなら、手元のセッションをクラウドへ送れることも案内されています。
--teleport の実行前には、次の要件を満たしているかが確認されます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| クリーンな git 状態 | 作業ディレクトリに未コミットの変更が無いこと。あれば先にスタッシュを促される |
| 正しいリポジトリ | セッションと同じリポジトリのチェックアウトから実行すること (フォーク不可) |
| ブランチが push 済み | クラウドセッションのブランチがリモートに push されていること |
| 同じアカウント | クラウドセッションと同じ claude.ai アカウントで認証していること |
Cloud sessions・ローカル実行・Remote Control・Claude Projects の使い分け
似た名前の機能が並ぶため、まず全体を整理します。公式ドキュメントは、1 つの依頼に対して多数のクラウドセッションを立ち上げて追跡させたい場合は Claude Projects を、手元で動いているローカルセッションを別端末から見たい場合は Remote Control を案内しています。
| 方式 | 処理される場所 | PC を閉じても続くか | GitHub 連携 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| Cloud sessions | Anthropic 管理のクラウド VM (組織の自社ホスト環境に振り分ける設定も可) | 続く | 必須 | 長時間・並列で走らせたい単発タスク |
| ローカル実行 | 手元のマシン | 続かない (閉じると止まる) | 不要 | ローカル DB・実機・VPN 内 API など手元からしか届かない作業 |
| Remote Control | 手元のマシン (実行はローカルのまま) | 続かない (遠隔からの操作・確認のみ) | 不要 | 席を離れた間、ローカルセッションを見たり指示したりしたいとき |
| Claude Projects (刷新版) | 各スレッドが独立したクラウドセッションとして並列に走る | 続く | 必須 (GitHub.com 限定) | 1 つの依頼を複数スレッドへ分けて任せたいとき |
Remote Control は「ローカル実行を遠隔から操作する仕組み」であって、処理そのものはクラウドへ移りません。実行環境をクラウドへ移す Cloud sessions とは別物です。Claude Projects (刷新版) は、内部で Cloud sessions の仕組みを使って複数スレッドを並走させる、さらに上位の機能に当たります。詳しい仕組みと導入可否は Claude Projects 刷新で何が変わったか にまとめています。
使う前に知っておきたい制限|GitHub 連携・IP アローリスト・ZDR
Cloud sessions を使う前に確認しておきたい制限が 3 つあります。
1 つ目は GitHub 連携です。公式ドキュメントによると、リポジトリのクローンと PR 作成には GitHub が必須で、接続方法は Claude GitHub App のインストールか、ターミナルで /web-setup を実行して手元の gh トークンを使う方法の 2 通りがあります。Claude GitHub App をインストールしたリポジトリでは、後述する Auto-fix も使えるようになります。なお、git のリモートが無いリポジトリや Claude GitHub App を入れていないリポジトリでは、claude --cloud が手元のリポジトリをまとめてアップロードして動きます。GitLab などのリポジトリも CCR_FORCE_BUNDLE=1 を付ければ送れますが、結果を元のリモートへ push することはできません。
2 つ目は組織の IP アローリストです。公式ドキュメントは、組織が IP アローリストを有効にしている場合、Anthropic がホストするクラウドセッションはすべて認証エラーになると明記しています。Anthropic 経由ではなく自社インフラへセッションをルーティングする設定 (自社ホスト環境) を使っている場合はこの制限を受けません。
3 つ目は ZDR (ゼロデータ保持) を有効にした組織です。公式ドキュメントには次のように書かれています。
Organizations with Zero Data Retention enabled can't use /web-setup or other cloud session features.
ZDR を有効にした組織では、/web-setup を含む Cloud sessions の機能が使えません。ZDR の適用範囲やモデルごとの扱いは Claude Code と Codex の Enterprise 比較 で詳しく整理しています。
補足
セキュリティ面では、各クラウドセッションが独立した VM で分離され、Anthropic がホストする環境では git の認証情報がサンドボックスの外に保たれる、と公式ドキュメントの Security and isolation 節は説明しています。組織の自社ホスト環境を使う場合、分離の実装は自社の運用に委ねられます。
一時クレジット (Pro $100 / Max $250) をどう受け取るか|確度を明示する
ここからは、公式ヘルプセンターにも公式ブログにも記載が無い (2026 年 9 月 24 日時点) 情報です。出どころは、公式開発者アカウント @ClaudeDevs の投稿 と、それを転載した 窓の杜の記事 など複数の媒体です。断定はせず、「報じられている」「とされる」という書き方で整理します。
| 内容 | 出どころ | この記事での扱い |
|---|---|---|
| GA 移行の事実、対象プラン、利用枠の共有 | 公式ブログ・公式ドキュメント | 確認できた事実 |
| 一時クレジットの金額 (Pro $100 / Max $250)、GitHub 連携が前提 | 公式開発者アカウントの投稿、複数媒体の転載 | 未確定として扱う |
| 請求期限 (Pacific Time で 2026 年 10 月 7 日 23:59) | 同上 | 未確定として扱う |
| 失効日 (2026 年 11 月 4 日相当) | 同上 | 未確定として扱う |
受け取り方 (claude.ai/code の画面・CLI の /claim-credit)、1 アカウント 1 回・Cloud sessions 限定・通常枠より先に消費 | 同上 | 未確定として扱う |
報じられている内容では、既存の Pro・Max 契約者に GitHub 連携を前提とした一時クレジットが配られ、Pro には $100、Max には $250 が付与されるとされます。請求期限は Pacific Time で 2026 年 10 月 7 日 23:59、失効はその約 1 か月後の 2026 年 11 月 4 日相当と報じられています。複数の媒体は日本時間換算として、請求期限を 10 月 8 日 15:59 頃、失効を 11 月 5 日 16:59 頃と伝えていますが、この換算には表記ゆれがあります。夏時間・冬時間の切り替えをまたぐ時期でもあるため、日付だけを覚えて当日に動くのは避けてください。
クレジットは 1 アカウントにつき 1 回、Cloud sessions の利用にのみ充当され、通常のプラン利用枠より先に消費される、とされています。受け取り方も claude.ai/code の画面上の案内、または CLI での /claim-credit の実行と報じられていますが、上表のとおりこれも公式ヘルプセンター・公式ブログでは確認できていない情報の一部です。
注意
金額・期限・受け取り方は、2026 年 9 月 24 日時点で公式ヘルプセンター・公式ブログに記載の無い情報です。行動を起こす前に、自分の claude.ai/code の画面か CLI の /claim-credit で、実際に表示される金額と期限を確認してください。
FIXITこれ、公式サイトに載ってないんでしょ? 本当にもらえるの?
Kaname現場では、公式アカウントの投稿と複数の媒体が一致している範囲までは参考にします。ただし最終判断は自分の画面表示です。
FIXITじゃあ、数字を覚えるより先に、自分のアカウントを開いて見ればいいんだ。
Kanameはい。期限が近いので、それが手順としていちばん早いです。
Auto-fix にも軽く触れておく
Cloud sessions には、PR の CI 失敗やレビューコメントに自動で対応する Auto-fix という機能もあります。公式ドキュメントによると、Claude GitHub App をインストールしたリポジトリで、claude.ai/code の CI ステータスバーから Auto-fix を有効にするか、ブランチ上でターミナルから /autofix-pr を実行すると使えます。確信が持てる修正だけを自動で push し、判断が分かれる指摘は都度確認を求める設計です。詳しい挙動は公式ドキュメントの Auto-fix pull requests の節を参照してください。
まとめ|今日やること 3 つ
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 自分のプランは対象か | Pro・Max・Team は対象。Enterprise はプレミアムシート/Chat + Claude Code シート限定 |
| 追加料金はかかるか | クラウド VM 自体への追加課金は無いが、利用枠はローカルと共有される |
| 始め方 | ターミナルの claude --cloud のほか、ブラウザ・モバイル・デスクトップ・Routines |
| クレジットは | 金額・期限は未確定情報。claude.ai/code か CLI の /claim-credit で自分の表示を確認 |
今日やることは 3 つです。
- 自分の契約が Pro・Max・Team か、Enterprise ならプレミアムシート/Chat + Claude Code シートかを確認する
- claude.ai/code か CLI の
/claim-creditを開き、自分のアカウントにクレジットが表示されているかを確かめる - 手元のリポジトリで
claude --cloudを 1 回試し、利用枠がローカルとどう共有されるかを体感しておく
ここまで済ませておけば、請求期限が過ぎたあとも運用に迷いません。
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