英語で流れてくる処理内容を読むのに時間がかかる
Claude Code を使い始めると、まずここでつまずきます。AI が何をしようとしているかの説明が英語で流れていくので、読み解くのに時間がかかります。
そのうち、内容を追うのをやめて結果だけ見るようになります。これは避けたい状態です。途中の説明を読まなくなると、意図と違う方向に進んでいることに気づくのが遅れます。
対処としてプロンプトに「日本語で答えて」と書いている方も多いと思います。動きはしますが、設定で解決できます。
/config から言語を指定する
ターミナルで次のコマンドを打つと設定画面が開きます。
/config表示される項目のなかから language を探し、日本語を指定します。項目が多いときは、画面に出るフィルターに language と入力すると絞り込めます。
これだけです。以降は AI 側の説明が日本語で出るようになります。
コツ
設定なので、別のプロジェクトを開いても引き継がれます。新しいリポジトリを触るたびに「日本語にして」と打っていた入力がまるごと不要になります。
プロンプトで指示するのと何が違うか
結果として日本語になる点は同じですが、性質が違います。
| 方法 | 有効範囲 | 手間 | 途中で戻るか |
|---|---|---|---|
| プロンプトで指示 | その会話のあいだ | 会話ごとに必要 | 長い会話では戻りうる |
/config で設定 | 起動するたびに有効 | 最初の 1 回だけ | 戻らない |
プロンプトでの指示は、会話が長くなるにつれて最初の指示が薄れ、英語に戻ることがあります。長時間の作業ほど設定にしておく利点が出ます。
もう 1 つ、プロンプトで毎回指示する方式には見えにくい損があります。指示に使った分だけ、本来の依頼に割ける余地が減ります。 1 回あたりは小さくても、毎回書いていれば積み上がります。設定に移せば、そのぶんがまるごと空きます。
精度が落ちるのではないかという心配
「日本語で答えさせると質が落ちるのでは」と聞かれることがあります。言語の指定は出力の言語を決めるもので、考える深さや正確さを変えるものではありません。
実際に効いてくるのは逆の側です。読めない状態で使い続けるほうが、結果として品質を落とします。 理由は後述します。
気になる場合は、しばらく使って手戻りの量が変わるかを見てください。設定はいつでも戻せるので、試してから判断すれば十分です。
用語まで訳させない
1 つだけ気をつける点があります。設定を入れると、技術用語まで無理に日本語へ置き換えられることがあります。読みにくくなるだけでなく、検索しても情報が出てこなくなります。
気になるときは、依頼の中で一言添えておくと安定します。
説明は日本語で。技術用語・コマンド名・ファイル名はそのまま英語で書いてください。固有名詞やコマンドは、原語のほうが調べやすく、他の資料とも突き合わせやすくなります。訳すのは説明で、名前は訳さない と考えておくとちょうどよいはずです。
設定が効かないときに見る順番
設定したはずなのに英語のまま、という場合があります。原因はいくつかありますが、確認する順番を決めておくと早く切り分けられます。
- 設定が保存されているか。もう一度
/configを開いて、指定した内容が残っているかを見ます - 起動し直したか。設定を変えた直後のセッションでは反映されないことがあります
- プロジェクト側の指示と競合していないか。リポジトリに置いた指示書が英語で書かれていると、そちらに引っ張られることがあります
- 依頼そのものが英語か。英語で聞けば英語で返ってきます
実際に多いのは 3 つ目です。設定は全体に効きますが、その場の指示のほうが強く効きます。 プロジェクトの指示書を英語で書いているなら、そこに「応答は日本語で」と一行足しておくと安定します。
4 つ目も見落とされがちです。英語の資料をそのまま貼って質問すると、文脈に引きずられて英語で返ることがあります。この場合は、質問文だけでも日本語で書けば戻ります。
コツ
切り分けの順番を守ってください。いきなり設定を消して入れ直すと、何が原因だったのか分からないまま終わります。
英語のままにしておくほうがよい場面
例外もあります。次のような場合は、無理に日本語へ寄せないほうが運用しやすくなります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 日本語話者以外がチームにいる | 英語のままにする。読める人が限られると困る |
| 出力をそのまま外部の資料に使う | 提出先の言語に合わせる |
| 一人で使っている | 日本語にする。読む速度がそのまま効く |
| 導入したばかりのチーム | 日本語にする。読まれないことが最大の損 |
判断の軸は、その出力を誰が読むかです。 自分と社内のメンバーだけが読むなら日本語のほうが速く、社外や海外のメンバーが関わるなら英語のほうが手戻りが少なくなります。
それでも英語が混ざるとき
設定したのに英語が残る場合、その部分が何なのかを見てください。混ざるのは主に次の 2 つです。
1 つ目は、実行したコマンドの出力です。テストの結果やビルドのログは、そのツールが出した文字列をそのまま表示しているだけなので、言語設定では変わりません。
2 つ目は、ライブラリやフレームワークが出すエラーメッセージです。これも同じ理由で、AI が書いた文章ではありません。
つまり、地の文 (AI 自身の説明) が日本語になっていれば設定は効いています。 ツールの出力まで日本語にしたい場合は、そのツール側の設定を見ることになります。
FIXIT毎回「日本語で」って打ってたんだけど、意味なかったの?
Hinataその気持ち、わかります。動くので気づきにくいんですよ。
FIXIT
Hinataはい。一度入れておけば次から要らないので、試してみてください。
読める状態にすると、確認の回数が変わる
小さい設定ですが、効き方は見た目より大きいところがあります。
説明が読める状態になると、AI が何をしようとしているかを途中で確認するようになります。確認の回数が増えると、意図と違う変更に早く気づけます。手戻りが減るのは、精度が上がったからではなく、見るようになったからです。
逆に、読みにくいまま使っていると結果だけを見る運用になり、おかしな変更が混ざったまま先に進んでしまいます。導入したばかりのチームで手戻りが多いときは、この入口を疑ってみてください。
日本語で依頼するときに気をつけること
出力が日本語になると、依頼のほうも日本語で書くようになります。ここで質が変わるのが、曖昧さの残りやすさ です。
日本語は主語を省いても文が成立します。「直しておいて」「いい感じにして」で通じてしまうぶん、指示としては曖昧なまま渡ることになります。英語で書いていたときは、文を組み立てる過程で主語や目的語を埋めていたので、結果的に具体化されていました。
日本語で書くときは、次の 3 つが入っているかを確認してください。
- 何を 変えるのか。ファイルや箇所を特定する
- どうなったら 完了なのか。終わりの状態を書く
- どこは 触らないのか。範囲を切る
とくに 2 つ目が抜けやすい部分です。「使いやすくして」は、完了の判断ができません。「入力が空のときにエラー文言を出す」まで書けば、できたかどうかがその場で分かります。
注意
日本語にしたことで速くなるのは読む側です。書く側は、むしろ意識して具体的に書く必要があります。
導入直後のチームでよくある詰まり方
日本語設定は小さな話ですが、導入したてのチームでは、ここが原因で使われなくなることがあります。よく見る形が 3 つあります。
1 つ目は、英語だから読まないまま結果だけ受け取る ようになるケースです。何をしたのか把握しないまま変更が積み上がり、あとでまとめて確認することになります。手戻りが大きくなるのはこの形です。
2 つ目は、毎回「日本語で」と打つのが面倒で使わなくなる ケースです。設定の存在を知らないと、この手間が使うたびに発生します。
3 つ目は、一部の人だけが設定を知っている ケースです。慣れた人は快適に使い、知らない人は英語のまま格闘します。同じツールを配ったのに、体験の差が開きます。
いずれも、導入手順に一行あれば起きません。技術の問題ではなく、共有の問題です。
どこまで読むかの目安
日本語になったあとで、次に出てくるのが「全部読むべきか」という疑問です。全部読んでいると、結局スピードが出ません。
読む価値が高いのは、次の 2 箇所です。
- これから何をするか を書いている部分。着手前に方向が分かる
- 前提を置いた 部分。「〜という想定で進めます」と書かれている箇所
逆に、実行したコマンドの結果や、変更後の細かな説明は流し読みで構いません。差分そのものを見たほうが速いためです。
止めるべきかどうかは、着手前の説明でほぼ判断できます。 終わってから読むと、直す作業が発生します。読む場所を絞ると、日本語にした効果がそのまま速さに変わります。
読む場所を絞ると、確認が習慣になる
日本語で読めるようになっても、全部を追いかけていると疲れます。続けるには、見る場所を決めてしまうのが早いです。
実務で回している人の見方は、だいたい次のようになっています。
| 段階 | 見るか | 理由 |
|---|---|---|
| 着手前の説明 | 必ず読む | ここで止めれば、やり直しが要らない |
| 途中の経過 | 流し読み | 順調なら読む必要がない |
| 失敗した箇所 | 読む | 同じ失敗を繰り返させないために要る |
| 完了後の要約 | 差分で確認 | 文章より、変更そのものを見たほうが速い |
確認の価値が最も高いのは、着手前です。 そこで方向が違えば、作業そのものが不要になります。終わってから読むと、直す作業が追加で発生します。
この見方に慣れると、読む量は減るのに気づく回数は増えます。日本語にする目的は全部読むことではなく、要るところだけを速く読めるようにすること だと考えてください。
よくある誤解を 3 つ
この設定について、聞かれることの多い誤解をまとめておきます。
「日本語にすると遅くなる」。 言語の指定は出力の言語を決めるだけで、処理の速さを変える設定ではありません。体感で遅く感じる場合は、別の要因を疑ってください。
「一度設定すると英語に戻せない」。 いつでも戻せます。/config から指定を変えるだけです。試して合わなければ戻せばよい、という前提で入れて構いません。
「英語で使ったほうが本来の性能が出る」。 出力の言語と、内部で考える深さは別のものです。むしろ、読めないまま使い続けて確認が減るほうが、実務上の損は大きくなります。
いずれも「よく分からないから触らない」ことから生まれています。設定 1 つで戻せる範囲なので、迷うより試したほうが早いです。
他のツールでも考え方は同じ
Claude Code に限らず、対話しながら作業を進める種類のツールには、たいてい似た設定があります。名前は違っても、出力の言語をあらかじめ決めておける という点は共通しています。
複数のツールを使い分けている場合は、導入時にまとめて確認しておくとよいです。片方だけ日本語で、もう片方が英語のままだと、切り替えるたびに読む速度が落ちます。
確認の順番としては、次のようになります。
- 設定画面に言語の項目があるか探す
- 無ければ、プロジェクト側の指示書に一行足す
- それも難しければ、依頼の冒頭で指定する
上ほど手間が少なく、下ほど毎回の作業が増えます。同じ結果を得るなら、上から順に試すのが得です。
入れた直後の 3 日で見るもの
設定を変えたあと、効いているかどうかは短期間で分かります。見るのは次の 2 点です。
1 つは、説明を読む回数が増えたか。以前は流していた部分に目が行くようになっていれば、狙いどおりです。
もう 1 つは、途中で止める回数が増えたか。読める状態になると、進む前に「それは違う」と言えるようになります。止める回数が増えるのは悪い兆候ではなく、手戻りを前倒しできている状態です。
逆に、設定しても何も変わらない場合は、そもそも説明を読む習慣が無い可能性があります。その場合は設定より先に、着手前の説明だけは読む、という運用を決めるほうが効きます。
チームに配るときは手順書に 1 行
設定は各自の環境に保存されるので、自動では共有されません。導入手順に「/config から language を指定する」の 1 行を入れておくと、新しく参加した人がつまずかずに済みます。
英語のまま使い続けている人は、設定の存在を知らないだけということがほとんどです。チーム内で一度共有するだけで解決します。
初日に済ませておくと後が楽になる項目を挙げておきます。どれも数分で終わります。
- 応答の言語を指定する
- 技術用語は英語のままにする旨を、プロジェクトの指示書に書いておく
- 着手前の説明は読む、という運用をチームで合意しておく
3 つ目は設定ではありませんが、いちばん効きます。読める状態を作っても、読む習慣が無ければ何も変わりません。 順番としては、設定を入れてから運用を決めるのではなく、同時に決めてしまうほうが定着します。
新しく入った人には、この 3 つを最初の日に渡してください。あとから直すより、最初から入っているほうが摩擦がありません。
まとめ
- 応答が英語なのは設定の問題で、プロンプトで毎回指示する必要はない
/configで言語を指定すれば、起動のたびに効き、プロジェクトを移っても引き継がれる- 効かないときは、保存・再起動・プロジェクト側の指示・依頼文の順に見る
- 技術用語まで訳させない。訳すのは説明で、名前は訳さない
- 読める状態にすると確認の回数が増え、手戻りが前倒しになる
- 導入手順に一行入れるだけで、チーム内の体験差がなくなる
Claude Code の導入そのものを体系立てて進めたい場合は Claude Code を実務に導入する完全ガイド が出発点になります。設定まわりの全体像は Claude Code の初期設定ガイド にまとめています。
