2.1.303 は修正のみ、Code Review のレベルは 2.1.304 の項に載った

Claude Code 2.1.303 は、changelog に「バグ修正と信頼性の改善」としか書かれていません。設定を見直す変更は、2.1.304 の項に集中しています。

この記事で中心に扱うのは、2.1.304 の項に載った Code Review のレビューレベルです。Code Review は、Anthropic のインフラ上で GitHub のプルリクエストをレビューする、Team と Enterprise プラン向けの機能です。設定は claude.ai の管理画面で行うため、レベルを使うのに CLI を 2.1.304 に更新する必要はありません。リポジトリに置いた GitHub Actions のワークフローで動かす方式とは別のものです。GitHub Actions で動かす方式は、Claude Code を GitHub Actions に組み込む手順 にまとめています。

CLI の 2.1.304 には、tool search を拒否する Vertex・Bedrock やゲートウェイの環境で、すべてのリクエストが失敗する不具合があり、2.1.305 で直りました。CLI を更新するなら、2.1.304 は飛ばして 2.1.305 以降にしてください。詳しくは後半で説明します。

内容は 公式の changelog と、Code Review の公式ドキュメント (概要・セットアップ・費用) の記載に基づいています。書かれていない点は、その旨を添えます。

前のバージョンの変更は Claude Code 2.1.299〜2.1.302 の記事 にあります。

レビューレベルは Quick・Standard・Deep の 3 段階

レビューレベルは、1 回のレビューをどこまで丁寧に行うかを決める設定です。丁寧にするほど、費用がかかります。

レベル内容
Quick軽めの確認。最も速く、費用も最も低い
Standard深さ・速さ・費用の釣り合いを取る。既定のレベル
Deep最も徹底した確認。時間も費用も最もかかる

各レベルで、確認するエージェントの数や検証の回数がどう変わるかは、公式ドキュメントに記載がありません。Code Review の仕組み、使える条件、費用の考え方は、Claude Code チームのコードレビュー運用の記事 で扱っています。この記事では、レベルの設定手順と、GitHub 組織のリポジトリをまとめて対象にする設定に絞ります。

FIXITFIXIT

Deep にしておけば、いちばん安心ってこと?

KanameKaname

Deep は最も徹底したレベルです。ただし、費用も時間も最もかかります。公式の説明も、そこまでです。

FIXITFIXIT

じゃあ、全部 Deep はこわいなあ。

KanameKaname

リポジトリごとにレベルを分ける使い方ができます。そのための設定が、今回入りました。

レベルは組織の既定とリポジトリ単位で決める

設定できるのは、Claude 組織の Owner です。claude.ai の Admin settings の Claude Code にある Code Review の項目で、次の 2 か所を使います。

範囲操作
組織の既定Review level でレベルを選び、Change level で確定する
1 つのリポジトリそのリポジトリの行で Edit を押し、Review level を選ぶ。選んだ時点で保存される

リポジトリ側の最初の選択肢は Default で、組織の既定に従います。重要なコードベースだけ Deep、定型的なコードベースは Quick、という分け方ができます。

新しいレベルは、変更したあとに始まるレビューから反映されます。

開発者は、Owner でなければレベルを変えられません。GitHub の側からできるのは、@claude review のコメントでレビューを依頼することと、REVIEW.md や CLAUDE.md で指摘する内容を調整することです。レベルを変えたいときは、Owner に依頼します。

レベルを変えたら、平均費用を測り直す

Code Review に定額の料金はなく、レビュー 1 回の費用はレベルや変更の大きさで変わります。回数は、リポジトリごとの Review runs で決まります。管理画面からリポジトリを追加した直後は After every push で、push の回数の分だけ費用が増えます。回数を減らすなら、Once after PR creation か、Manual (@claude review) を選びます。

レベル別の金額は、公式のドキュメントに書かれていません。 Deep が Standard の何倍になるかは、確認できませんでした。見積もりは、自分の PR で測ります。

  1. 月間の支出上限を決める。claude.ai の usage 設定で、Claude Code Review のサービスに設定する
  2. 代表的なリポジトリをいくつか選び、Review runs を Once after PR creation か Manual にして、Code Review を有効にする
  3. 何件かレビューが終わったら、Repositories の表の Average cost の列で、リポジトリごとの 1 回あたりの平均費用を見る
  4. 平均に、月間の PR 数を掛ける。After every push なら、1 PR あたりの push 数も掛ける

平均は、PR の大きさとレビューレベルで変わります。レベルを変えたら、測り直してください。

Code Review の支出上限、組織全体の支出上限、使用量クレジットの残高のどれかが尽きると、Code Review はレビューを見送ります。残りが 1 回分の想定費用を下回ったときも同じです。見送られた PR には、理由を書いたコメントが付きます。

GitHub 組織をまとめて対象にする設定は、実行タイミングを上書きする

changelog の 2.1.304 の項には、GitHub 組織のリポジトリを、あとから追加したものも含めて 1 つずつ選ばずに対象にする設定も載りました。対象になるのは、その組織で Claude GitHub App がアクセスできるリポジトリです。App を一部のリポジトリだけに入れている場合、残りも対象にするには、GitHub 側で App のアクセス範囲を広げます。公式ドキュメントも、費用が大きく増えうると注意しています。

使うには、次の 3 つが要ります。

条件
接続した GitHub アカウントが、その GitHub 組織のオーナーである
組織が GitHub.com 上にある (GitHub Enterprise Server と個人アカウントは対象外)
Claude 組織か Code Review に、月間の支出上限が設定されている

設定は、Repositories の表にある組織の行で、Edit から Review runs を選びます。選べるのは、通常の 3 つの実行タイミングと Off です。

確認しておきたい挙動は 3 つあります。

  • その組織のすべてのリポジトリが、選んだ実行タイミングになる。個別に設定していた実行タイミングも上書きされる。 もう一度設定しても、同じことが起きる
  • 個別に Off にしていたリポジトリは、Off のまま残る
  • 組織の行には、レビューレベルがない。上書きされるのは実行タイミングだけで、各リポジトリのレベルは変わらない

注意

Claude GitHub App に組織の全リポジトリへのアクセスを許している場合は、あとから追加されたリポジトリも自動でレビューの対象になります。月間の支出上限は、有効にする前に決めてください。

changelog の同じ 2.1.304 の項には、Code Review の不具合修正も入っています。管理者が Code Review を有効にした直後の 1〜2 分に開かれた PR が、気づかないうちにスキップされていました。修正後は、再試行されてレビューされます。

2.1.304 の CLI は飛ばし、2.1.305 以降へ更新する

ここからは、CLI の 2.1.304 の変更です。2.1.304 では、カスタム ANTHROPIC_BASE_URL の背後で tool search が既定で有効になりました。changelog には、ゲートウェイが 400 か 422 を返すと tool search なしで再試行される、と書かれています。

ところが 2.1.305 の changelog には、2.1.304 で入った不具合の修正として、次の 2 つの環境ですべてのリクエストが失敗していたと書かれています。

  • Vertex・Bedrock などのプロバイダーで、エンドポイントかゲートウェイが tool search を拒否する環境

  • ToolSearch を許可していない、または --tools から外しているゲートウェイの背後

    2.1.305 では、tool search なしで再試行するようになりました。これらの環境では、2.1.304 を飛ばして 2.1.305 以降に更新してください。2.1.305 のほかの変更は、Claude Code 2.1.305 の記事 にまとめています。

2.1.304 でほかに確認する変更

tool search のほかにも、環境によっては影響する変更があります。

変更影響する環境
カスタム ANTHROPIC_BASE_URL の背後で、tool search が既定で有効になった。tool search を拒否する環境では、すべてのリクエストが失敗する (2.1.305 で修正)Vertex・Bedrock、LLM ゲートウェイ越しに使う環境 (ToolSearch を許可していない環境を含む)
mod の settings.read フックが、各設定の層を受け取り、統合後の設定を書き換えられるようになった。管理された mod で、組織の設定を上限にできる。保持期間の cleanupPeriodDays も含むmod を配る管理者
スキルのフックは、1 つの出どころ (リポジトリ・自分のフォルダ・プラグイン) につき、1 セッションで最大 1,024 個、マッチャーの文字数は最大 16,384 文字になったスキルにフックを多数登録している環境
compaction のあと、スキルの一覧が Claude に再送されるようになった。/reload-skills は、新しいスキルと変更したスキルだけを送るスキルを多く使う環境
Pro・Max で、使っていない会話を再開すると 5 時間枠の目立つ割合を使うとき、警告が出るPro・Max の利用者
/auto-mode-setup が追加された。プロジェクトと最近のセッションを読み、自動モードに環境を教える対話式の設定。Bedrock・Vertex・Foundry などでも使える自動モードを使う環境
/claude-api managed-agents-secure が追加された。Managed Agents の設定を、Anthropic が公開しているセキュリティガイドと比べる。何も変更しないManaged Agents を使う環境

1 行目・3 行目・4 行目は、自分で設定を変えていなくても、挙動が変わる可能性があります。changelog には、ほかにも多くの不具合修正があります。自分の環境に関わるものは、公式の changelog で確認してください。

更新と設定の進め方

自分なら、次の順で進めます。

  1. Owner 権限のある人が、Code Review の管理画面を開き、リポジトリごとの Review runs とレベルを一覧にする
  2. 月間の支出上限が設定されているか確認する。無ければ、先に決める
  3. 代表的なリポジトリ 2〜3 件で、Standard のまま Average cost を測る。次に重要なリポジトリだけ Deep にして、測り直す
  4. GitHub 組織をまとめて対象にする設定は、手順 3 の結果が出てから検討する。使うなら、個別の実行タイミングが上書きされることを関係者に伝える
  5. Vertex・Bedrock やゲートウェイ越しに Claude Code を使っているなら、CLI は 2.1.304 を飛ばして 2.1.305 以降に更新する。更新後に問題が出ないか、まず 1 台で確認する

手順 3 を飛ばして Deep を広げると、費用の増え方が読めないまま請求が積み上がります。

コツ

Code Review の運用を社内に定着させるには、どのリポジトリをどのレベルにするかの判断基準を決めておくと、毎回迷わずに済みます。

どのレベルをどのリポジトリに当てるかを決める段階で止まっている場合は、AI 開発ツール定着支援 をご覧ください。具体的な進め方は お問い合わせ からご相談いただけます。AI 駆動開発のクリエイティブスタジオとして、運用に乗る形まで一緒に整えます。

確認できなかったこと

この記事は、公式の changelog と Code Review の公式ドキュメントに書かれていることだけで書いています。次の点は、確認できませんでした。

  • レビューレベルごとの具体的な費用と、所要時間の目安
  • 各レベルで、確認の中身が具体的にどう変わるか
  • カスタム ANTHROPIC_BASE_URL の背後で tool search が有効になったときの、速度や精度への影響

GitHub Actions で動かす方式については、公式の GitHub Actions のドキュメント にレビューレベルの記載がありません。プロンプト・モデル・トリガーを自分で決めたいときの方式として説明されています。

自分の組織に当たる項目は、有効にした後の動作と請求で確認してください。

まとめ

  • 2.1.303 は不具合修正のみ。Code Review のレビューレベル (Quick・Standard・Deep) は changelog の 2.1.304 の項に載ったが、管理画面の設定で使え、CLI の更新は要らない
  • レベルは Owner が決める。組織の既定を 1 つ選び、リポジトリごとに別のレベルを指定できる
  • Code Review に定額はない。レベル別の金額は公式に記載が無いため、Average cost を測って見積もる
  • GitHub 組織をまとめて対象にする設定は、Claude GitHub App がアクセスできるリポジトリが対象で、個別の実行タイミングを上書きする。レベルは変わらない。GitHub 組織のオーナー・GitHub.com・月間の支出上限が条件
  • 2.1.304 の CLI は、tool search を拒否する Vertex・Bedrock・ゲートウェイの環境ですべてのリクエストが失敗する。2.1.304 は飛ばし、2.1.305 以降へ更新する