先に結論|設定は 3 手順、規約上の扱いは公式文書だけでは決められない

OpenCode v2.2.3 に、組み込みの Claude Agent provider が加わりました。Claude Code でログインしておけば、OpenCode の /connect から Claude Agent を選んで Claude を使えます。

設定そのものは短く済みます。判断が要るのは、Claude のサブスクでこの使い方をしてよいかです。Anthropic の公式文書は、サブスクの認証を第三者のアプリで使うことについて制限を設けています。ただし、今回の方式がその制限に当たるのか、例外に当たるのかは、確認できた公式文書には書かれていません。

本記事は、OpenCode のリリースノートとプルリクエスト #58782、Anthropic の法務とコンプライアンス、Agent SDK の概要、利用規約 (個人向け)、OpenCode のプロバイダーのドキュメントを 2026 年 10 月 31 日に確認した内容で書いています。公式に記載がない項目は、できないとは書かずに「記載がない」と書きます。

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結局、Claude Max の契約で OpenCode を使っていいの?

TsukasaTsukasa

公式文書だけでは、許可か禁止かを決められません。判断の軸は、仕事で使うか、利用を停止されたときに困るかです。

設定手順

リリースノートの要点は次の 2 つです。

  • Claude Code をインストールし、claude auth login を実行して、/connect で Claude Agent を選ぶ
  • Claude Code の実行ファイルの場所は、環境変数 OPENCODE_CLAUDE_PATH で上書きできる

手順にすると次のとおりです。

  1. Claude Code をインストールする
  2. ターミナルで claude auth login を実行し、Claude のアカウントでログインする
  3. OpenCode を v2.2.3 以降に更新して、/connect で Claude Agent を選ぶ

PR で追加された OpenCode のドキュメント (リポジトリ内) は、Claude Code の 2.1.248 以降を求めています。OpenCode は PATH から claude を探します。別の場所の実行ファイルを使うときは、OpenCode のサーバーに OPENCODE_CLAUDE_PATH を設定します。ドキュメントの例は次のとおりです。

opencode service set env OPENCODE_CLAUDE_PATH /opt/claude/bin/claude

/opt/claude/bin/claude は例です。自分の環境の実行ファイルのパスに置き換えてください。

PR のレビューでは、Claude Code が入っていない状態で接続すると、「Connected Claude Agent」と表示されるのにモデルの一覧が空になる、という指摘がありました。PR で追加されたドキュメントには、「Claude Code is not installed」と出たらインストールするか OPENCODE_CLAUDE_PATH を設定し、「Claude Code is not logged in」と出たら claude auth login を実行する、と書かれています。

仕組み|Agent SDK 経由で Claude Code の実行ファイルを呼ぶ

PR の説明によると、Claude Agent provider は Claude Agent SDK (@anthropic-ai/claude-agent-sdk) を使って、利用者自身の Claude Code のログインで Claude のモデルを呼び出します。OPENCODE_CLAUDE_PATH が指すのは Claude Code の実行ファイルです。

Anthropic の Agent SDK の概要では、SDK は Claude Code の実行ファイルを動かすライブラリと説明されています。PR に含まれる設計メモには、OpenCode は利用者がインストールした claude を SDK 経由で起動し、Claude Code が保存したログイン情報は読まない、と書かれています。Claude Code と Anthropic の間に入ることも、Claude Code のリクエストを書き換えることもしないとしています。

設計メモとコミットには、ほかにも次の内容があります。

  • Claude Code の組み込みツールは使わず、OpenCode のツールを Claude に渡す。利用者の Claude Code の設定ファイル・CLAUDE.md・フック・MCP サーバー・スキルは読み込まない
  • baseURL・apiKey・タイムアウト・ヘッダーなどの設定を、Claude Code の環境変数に対応づける
  • 指示文のうち core/date と core/environment は転送しない。Claude Code が同じ内容を自分で書き込むため
  • セッションごとに claude のプロセスを 1 つ起動し、5 分間使われなければ終了する。OpenCode がツールを実行しているあいだは、この 5 分を数え始めない

core/date と core/environment を転送しない理由として、コミットメッセージには「転送すると、Claude のサブスクがチャットのリクエストを第三者のアプリとして拒否した」と書かれています。リクエストの中身によって、拒否されるかどうかが変わっていたことになります。判定の条件は確認した公式文書には書かれておらず、PR の記載だけでは分かりません。

Anthropic の公式文書が書いていること

確認した公式文書の記述を表にします。表の下で出どころを示します。

文書の話題書かれていること
OAuth 認証の位置づけ購入者向けで、Claude Code とそのほかの Anthropic 純正のアプリの通常の利用を支えるためのもの
製品を作る開発者Agent SDK を使う場合も含め、API キーによる認証を使う
第三者の開発者への制限Claude.ai のログインを自分のアプリに載せることや、Free・Pro・Max・Ultra の認証情報で利用者の代わりに中継することは不可
製品で Claude Code を動かす相互の合意がない限り、商用利用規約への同意が要る。Claude Code は改変せずに動かし、利用者はそれぞれ自分の認証で使う
例外利用者本人が、未改変の Claude Code に自分のサブスクでログインすることは妨げない。プラットフォームが Claude Code を動かす場合も含む
第三者の製品での提供事前に承認された場合を除き、第三者の開発者が Claude.ai のログインやレート制限を製品で提供することは不可
措置制限を守らせるための措置を、事前の通知なしにとることがある
自動化したアクセス自動化された方法や、人の操作によらない方法でのアクセスは、API キーを使う場合か、Anthropic が明示的に許す場合を除いて禁止

出どころは、上から 7 行目までが Claude Code の法務ページと Agent SDK の概要、最後の行が個人向けの利用規約 (効力発生日は 2025 年 10 月 8 日) です。法務ページには、Pro・Max・Ultra のプランで案内されている利用上限が、Claude Code と Agent SDK の「通常の個人の利用」を前提にしているという記載もあります。

ここまでの記述からは、Claude Agent provider が制限と例外のどちらに当たるかについて、次の 2 つの読み方ができます。

  1. OpenCode は第三者のアプリで、利用者のサブスクの認証情報を使って Claude を呼んでいる。そうだとすれば、事前の承認がない限り、制限に当たる
  2. 実際にログインして処理するのは未改変の Claude Code で、利用者本人が自分のサブスクで使っている。そうだとすれば、例外に当たる

設計メモによると、OpenCode は Claude Code の実行ファイルを書き換えません。一方で、Claude Code の組み込みツールを使わず、システムプロンプトに OpenCode の指示を足して Claude Code を起動します。こうした起動のしかたが「未改変」に当たるかどうかも、確認した公式文書には書かれていません。

確認した公式文書には、OpenCode の方式がどちらの読み方に当たるかを述べた記載がありません。1 つ目の読み方では、「事前に承認された場合を除き」という条件があるので、承認の有無が分かれ目になります。

なお、Agent SDK の概要のブランド表記では、パートナーが使ってよい名前として「Claude Agent」が挙げられ、「Claude Code」は使えないとされています。provider の名前はこの表記に沿っていますが、名前が合っていることは承認の証拠にはなりません。

OpenCode 側の記載は食い違って見える

承認について、OpenCode 側には食い違って見える記載が 2 つあります。

1 つ目は PR のやり取りです。アカウントが停止されないか、Anthropic が認めているのかを尋ねる投稿に、作者は、Anthropic の許可を得ていて利用規約にも準拠している、と返信しています。許可の文書や Anthropic の発表へのリンクは付いていませんでした。確認した範囲で、Anthropic の公式文書にも、この許可を裏付ける記載は見つかりません。

2 つ目は、OpenCode のプロバイダーのドキュメントです。2026 年 10 月 31 日に確認した時点では、Anthropic の節に API キーの手順だけがあり、Claude Agent provider の説明はありませんでした。PR はリポジトリ内のドキュメントに Claude Agent の節を足していますが、公開ページには反映されていませんでした。公開ページの Anthropic の節には、Claude の Pro や Max を使うプラグインがあるが「Anthropic は明示的にこれを禁止している」という注意が残っています。バージョン 1.3.0 から、こうしたプラグインは同梱されなくなったとも書かれています。この注意が指すのはプラグイン方式で、Claude Agent provider とは仕組みが異なります。それでも読者から見ると、リリースノートの新機能とドキュメントの注意書きが矛盾して見えます。

検索で見つかった二次情報には、プラグイン方式でサブスクを使ってアカウントが停止されたという報告があります。今回の方式で停止されたという報告は、確認した範囲では見つかっていません。ただ、見つかっていないことは、停止されないことの保証にはなりません。

使う前の判断

判断は、使い方で分けると決めやすくなります。

使い方目安
仕事の案件や、停止されると困る環境API キーを使う。/connect で Anthropic を選び、Console で作ったキーを入力する
個人の検証や学習公式文書からは規約上の扱いを決められないことを承知のうえで試す。メインのアカウントでは試さない
会社の契約 (Team・Enterprise)使う前に、契約窓口か Anthropic の営業窓口に利用方法を確認する
自分のプロダクトに組み込むサブスクの認証は使わない。Anthropic は製品を作る開発者に API キーを求めている

API キーなら課金は従量になり、費用の見通しが要ります。Claude Code 側の費用の見方は、Claude Code のコスト最適化の記事にまとめています。

もう 1 つ見ておきたいのは、認証がサブスクから API キーに切り替わる場面です。Claude Code の認証のドキュメントによると、ANTHROPIC_API_KEY が設定されていると、対話モードでは一度承認を求めてから、-p の非対話モードでは確認なしで、そのキーを使います。サブスクではなく API の課金になります。OpenCode の設定の settings.apiKey も、Claude Code の ANTHROPIC_API_KEY に渡されます。どちらの認証が使われているかは、Claude Code の /status で確認できます。

FIXIT の運用

FIXIT は AI 駆動開発のクリエイティブスタジオとして、Claude Code や OpenCode のような AI エージェントをクライアントワークに組み込んでいます。新しいツールが出たときに先に見るのは、機能として使えるかどうかよりも、認証と課金がどの契約に紐づいているかです。後から規約の解釈が変わると、案件で使っていた環境が使えなくなるためです。

ツールの選び方、認証と課金の整理、チームで使うときのルールの作り方は、AI 開発ツール定着支援で扱っています。

次の一歩は、いま使っている認証方式 (サブスクか API キーか) を、案件ごとに書き出すことです。社内の利用ルールの設計を相談したい場合は、お問い合わせから状況を教えてください。