2026 年 10 月 7 日に、漏洩シークレットの検出モデルが発表されました
GitHub は 2026 年 10 月 7 日、コードの文脈を読んで漏洩したシークレットを見つける専用モデルを発表しました。一次情報は GitHub の変更履歴 です。このモデルは検出専用で、コードや文章は生成しません。形式が決まったトークンではない、パスワードのようなシークレットも、周辺のコードから見つける用途です。
注意したいのは費用です。検出結果のアラートは追加料金なしですが、使う場所によっては GitHub AI Credits を消費します。AI Credits の課金は「数週間以内」に始まるとされ、日付は書かれていません。この記事では、無料の範囲、消費する範囲、既定値、課金前に確認する点を、発表の記載に沿って整理します。Copilot の課金全体は GitHub Copilot の課金変更まとめ で扱っています。
FIXITこれって、入れたらすぐお金がかかるの?
Dodai機能によります。アラートは追加料金なし、push protection と /security-review の新チェックは AI Credits を使います。
機能ごとの状態と課金を表で切り分けます
発表に書かれた内容を、機能ごとに並べると次のとおりです。
| 機能 | 状態 (発表の記載) | 課金 |
|---|---|---|
| Secret scanning の AI 検出アラート | 適用済み。Password のアラートは新モデルに自動で切り替わった | GHSP / GHAS に含まれ、追加料金なし |
| push protection での AI 検出 | preview (後述の食い違いあり) | オプトインすると AI Credits を消費 |
| Copilot の /security-review の新チェック | 近日、private preview | オプトインすると AI Credits を消費 |
| GHES 3.23 での AI 検出アラート | public preview で提供予定 | 既存の GHSP / GHAS に含まれる |
アラートの切り替えについては、AI で検出した Password のアラートを持つ顧客が、新しいモデルへ自動で移され、既存の AI 検出の走査も発表日から新モデルに切り替わったと書かれています。設定の変更は要りません。
push protection の状態には、発表内に食い違いがあります。冒頭の説明は private preview ですが、課金の節では「組織が public preview にオプトインしたとき課金が始まる」と書かれています。どちらが現状かは、発表からは決められません。自分の組織の設定画面で、いま選べる状態を確認してください。
既定でオフで、有効にするのは管理者かユーザーです
新しい機能は、既定では使われません。
- /security-review の新チェックは既定でオフで、/security-review を実行しても有効にはならない
- push protection の AI 検出は、管理者が有効にする。組織や企業のポリシーの制約を受ける
- 組織と企業の管理者は、ポリシーで新機能を無効にでき、AI Credits の予算も置ける。オプトインしても、これらは上書きされない
対象機能をまだ有効にしていなければ、この新チェックによる AI Credits の消費はありません。気をつけたいのは、すでに push protection の private preview に入っている人です。発表によれば、その人は課金が始まったあとに AI Credits を消費します。避けたいときは、課金が始まる前に無効にします。
課金の請求先と、見え方の違い
AI Credits は、機能によって請求先が違います。
| 機能 | 請求先 | 見える場所 |
|---|---|---|
| push protection | その組織。SKU は「Secret Protection AI Credits」 | 組織の請求 |
| /security-review | 有効な Copilot プランの請求先アカウント | AI usage insights の GHSP の項目 |
push protection は、EMU のユーザー名前空間のリポジトリを除き、個人に割り当てられた AI Credits を使いません。組織の請求に出ます。
もう 1 つ見落としやすいのが、ブロックしなかった場合の扱いです。発表によれば、チェックは、プッシュを止めなかったとしても、AI Credits を消費することがあります。「止まらなかったから費用もかかっていない」とは言えません。
課金の開始時期は、日付が書かれていません
AI Credits の利用は「数週間以内」に導入されると書かれています。具体的な日付と、1 回あたりの単価、消費量は、発表にありません。
課金の導入後、クレジットを消費する対象になる条件は、機能ごとに次のように書かれています。
- push protection は、組織がオプトインして機能を有効にしたとき
- /security-review の新チェックは、ユーザーがオプトインして機能を有効にしたとき
日付が決まっていないので、「いつ始まるか」を待つより、「自分の組織で、誰がオプトインできる状態か」を先に確認するのが現実的です。
プラン別の対象
発表に書かれた対象を、プラン別に整理します。
| プラン・環境 | 対象 |
|---|---|
| GitHub Team、GHEC (クラウド版) | AI push protection には、有料の GHSP または GHAS が必要 |
| GHEC の data residency (ghe.com) | Copilot Business / Enterprise で /security-review が使える。AI push protection は GHSP / GHAS で提供予定 |
| GHES | AI 検出アラートは 3.23 で提供予定。AI push protection と /security-review は今回の対象外 |
| Copilot の個人プラン (Free・Pro・Pro+・Max・Student) | セキュリティレビューのチェックが対象。GHSP / GHAS のライセンスは要らない |
| Copilot Business / Enterprise | 対応する環境で対象。招待と管理者のポリシーによる。AI push protection に必要な GHSP の代わりにはならない |
Copilot Business や Enterprise を契約していても、push protection の AI 検出に必要な GHSP の代わりにはならない点は、混同しやすいところです。
予算は、アラートだけでは止まりません
発表には、予算について大事な注意があります。予算のアラートは、通知するだけで利用を止めません。上限で止めたいときは、利用できる画面で「Stop usage when budget limit is reached」を設定します。「where available」と書かれているため、画面に項目が出るかは組織ごとに確認が要ります。
FIXIT予算を決めておけば、そこで止まるんじゃないの?
Dodaiアラートは知らせるだけです。止めるなら、上限で止める設定を別に有効にします。
課金前の確認項目
以下は公式の手順ではなく、この記事が提案する進め方です。
- 自社が GHSP または GHAS を契約しているか、どのプランかを確認する
- push protection の private preview に入っているユーザーや組織がないか、設定画面で確認する
- AI push protection を使うかどうかを決め、使わないなら、ポリシーで無効にしておく
- 使うなら、予算を置き、「Stop usage when budget limit is reached」が使えるか確認する
- /security-review を使う開発者に、新チェックが既定でオフであり、課金の導入後はオプトイン済みの機能が AI Credits を消費することを伝える
- 課金が始まった後の数日分で、「Secret Protection AI Credits」と AI usage insights の出方を確認する
2 は見落としやすい点です。すでに preview に入っていると、課金が始まったときに、気づかないまま AI Credits を消費し始めます。
発表に書かれていない点も押さえておきます。課金の開始日、単価、1 回あたりの消費量は、公式の発表にありません。確認できた範囲では記載がないので、請求画面と公式ドキュメントで確かめてください。
FIXIT の運用
AI 駆動開発のクリエイティブスタジオである FIXIT では、AI を組み込んだ開発の安全面は、「検出の精度」と「費用の持ち主」を一緒に決めるものだと考えています。シークレットの漏洩は、見つけるのが遅れるほど被害が広がります。一方で、単価や消費量が公表されていない従量課金は、上限を置かずに有効にすると、請求で驚く原因になります。
導入するときは、管理者とセキュリティ担当、経理が同じ画面を見て、誰が有効にでき、どこで止めるかを決めておくと、後で揉めません。セキュリティ全般の考え方は AI 駆動開発のセキュリティ で扱っています。
まとめ
10 月 7 日の発表で、漏洩シークレットの検出専用モデルが加わりました。アラートは GHSP / GHAS に含まれ追加料金なしです。push protection と /security-review の新チェックは、オプトインすると AI Credits を消費し、課金は「数週間以内」に始まるとされています。日付と単価は書かれていません。
次の一歩は、組織の設定で、push protection の AI 検出が有効になっていないかと、preview に入っているユーザーがいないかを確認することです。Copilot の課金先の設定は Copilot code review の組織課金 で整理しています。Copilot をはじめとする AI 開発ツールの管理設計は、AI 開発ツール定着支援 でご相談いただけます。自社の状況を踏まえて検討したい方は、お問い合わせ からご連絡ください。



