8 月 31 日に 2 モデルが終了する
OpenAI Codex で、GPT-5.4 と GPT-5.4 mini が 2026 年 8 月 31 日に使えなくなります。
整理すると、押さえる点は 3 つです。誰が影響を受けるか、何に置き換えるか、どこを直すか。 この順に見ていきます。
期日まで 3 週間ほどです。作業自体は数分で終わる種類のものですが、直す場所が分散している ので、先に洗い出しておくほうが確実です。
なお、この件は探しにくい位置に告知があります。OpenAI の API 全体の廃止一覧ページには載っておらず、Codex 専用の changelog に記載されています。普段そちらを見ていない場合、気づかないまま期日を迎えることになります。
影響するのは ChatGPT ログインの場合だけ
まず、ここが最初の分岐です。認証の方式によって、影響の有無が分かれます。
| Codex の使い方 | 8 月 31 日以降 |
|---|---|
| ChatGPT アカウントでログイン | GPT-5.4 が使えなくなる |
| API キーでサインイン | 引き続き使える |
| OpenAI API から直接呼ぶ | 引き続き使える |
優先順位で言うと、まず自分がどちらなのかを確認してください。ChatGPT でログインしているなら対象、API キーを設定しているなら対象外です。
注意が要るのは、社内で両方の使い方が混在している場合です。個人の作業は ChatGPT ログイン、自動化は API キー、という分け方をしている組織は珍しくありません。「うちは API キーだから関係ない」と一括りにすると、対象の人が取り残されます。
移行先のモデル
置き換え先は次のとおりです。
| 終了するモデル | 移行先 |
|---|---|
| GPT-5.4 | gpt-5.6-terra |
| GPT-5.4 mini | gpt-5.6-luna |
いずれも同系列の後継です。使い方や指示の書き方を変える必要はありません。 名前が変わるだけと考えて構いません。
とはいえ、世代が上がる以上は挙動が同じとは限りません。定期実行に組み込んでいる場合は、置き換えたあとに 1 回だけ結果を確認しておいてください。 対話的に使っているなら、その場で分かるので不要です。
直す場所は 5 箇所
案内されている更新対象を並べます。ここが今回のいちばん面倒な部分です。
- ワークスペースの既定設定
- 保存済みのモデル設定
- 管理下の構成 (managed configuration)
- カスタムエージェント
- 定期実行タスク
分かれ目は、目に入るかどうか です。1 と 2 は普段使う画面にあるので気づきます。3 から 5 は、設定した後に触らないことが多く、そのまま残ります。
| 箇所 | 気づきやすさ | 動かなくなったときの見え方 |
|---|---|---|
| ワークスペース既定 | 高い | 使った瞬間に分かる |
| 保存済みのモデル設定 | 高い | 選ぼうとしたときに分かる |
| 管理下の構成 | 中程度 | 配られた人が個別に困る |
| カスタムエージェント | 低い | 呼び出したときに初めて分かる |
| 定期実行タスク | 最も低い | 誰も見ていない場所で失敗し続ける |
注意
とくに 5 番の定期実行タスクは、期日を過ぎてから静かに失敗し続ける形になりがちです。動かなくなったことに気づくまでの時間がいちばん長い箇所です。
見落としを防ぐ順番
作業としては、次の順で進めるのが確実です。
- 自分が対象かを確認する (ChatGPT ログインかどうか)
- 対象なら、上の 5 箇所を上から順に見る
- GPT-5.4 / GPT-5.4 mini が指定されていれば書き換える
- 定期実行タスクは、置き換えたあと 1 回だけ実行して確認する
4 番を入れているのは、定期実行は「動いていないこと」が分かりにくいため です。次回の実行を待つのではなく、手動で 1 回流して確認してください。
探す手がかり
「どこに書いたか覚えていない」という場合、モデル名で全文検索するのがいちばん速いです。gpt-5.4 と gpt-5.4-mini の 2 つで、次の範囲を見てください。
- リポジトリ全体 (設定ファイル・スクリプト・CI の定義)
- 社内の手順書やドキュメント
- Codex 側の画面 (ワークスペース設定、エージェントの定義、タスクの一覧)
上 2 つは検索で一発です。面倒なのは 3 つ目で、画面を開いて目視するしかありません。 ただし件数はそう多くないはずなので、一覧を上から見ていけば終わります。
社内で複数人が使っているなら、各自に「自分のタスクとエージェントを見てください」と流すのが早い です。管理者側からは、他人が作った定期実行の中身までは見えないことがあります。
期日のある変更をどう扱うか
この形の告知は、繰り返し来ます。同じ時期に GitHub Copilot でも 9 月 1 日にモデルの廃止が予定されており、内容としてはほぼ同じ構造です。
うまく回っている組織は、告知を見た時点で 3 つを決めています。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 誰がやるか | 設定を直す担当 |
| いつまでに | 期日の 1 週間前など、当日より前の日付 |
| 誰に伝えるか | 影響する人と、手順書の管理者 |
期日を当日に置かないでください。 当日にやる前提だと、その日に別のことが起きた時点で押し出されます。
同じ性質の対応として、GitHub Copilot 側の廃止は GitHub Copilot で 6 モデルが 9/1 廃止 にまとめています。両方を使っているなら、まとめて片付けるほうが早く済みます。
FIXIT
Shiori整理すると、自動化はそうですが、個人の作業は別かもしれません。
FIXIT
Shioriはい。優先順位で言うと、まず誰が対象かの確認からです。
認証方式が分かれていることの意味
今回、影響が ChatGPT ログインだけに限られているのには理由があります。契約の形が違うからです。
ChatGPT のサブスクリプションで使う場合、利用できるモデルは提供側が決めます。プランの内容として提供されているので、そこが入れ替わるのは自然な変更です。
一方、API キーで使う場合は、モデルを指定して従量で支払う形です。指定したモデルが消えることは、契約している対象が消えることに近くなります。 そのぶん、廃止の告知と猶予の扱いも慎重になります。
この違いは、今後どちらで使うかの判断にも効きます。
| 使い方 | 特徴 |
|---|---|
| ChatGPT ログイン | 定額で使える。提供モデルは提供側が決める |
| API キー | 従量。モデルを自分で選べて、寿命も読みやすい |
自動化や定期実行に組み込むなら、API キー側のほうが安定します。 提供モデルの入れ替えに巻き込まれにくいためです。逆に、個人の対話的な作業は定額のほうが気楽です。
今回の件を機に、この 2 つを意識して使い分けておく と、次の入れ替えでの影響が小さくなります。
情報源について 1 点
この件は、探す場所を間違えると見つかりません。
OpenAI の API 全体の廃止一覧ページには、GPT-5.4 の記載がありません。記載されているのは Codex 専用の changelog のほうです。API の廃止一覧を見て「載っていないから大丈夫」と判断すると、取りこぼします。
同じことは他のツールでも起きます。製品ごとに告知の場所が分かれている場合、普段見ているページに載らない変更がある と考えておくのが安全です。
対処としては、使っているツールごとに changelog の場所を 1 度だけ調べて控えておくのが確実です。探す場所さえ分かっていれば、確認は数分で終わります。
同じ月に 3 つ重なっている
今月は、期限のある変更が続いています。まとめて片付けるほうが、都度対応するより軽く済みます。
| 期日 | 内容 |
|---|---|
| 8/14 | Claude Code の auto mode がデフォルトになる |
| 8/31 | Codex で GPT-5.4 / GPT-5.4 mini が終了 |
| 8/31 | Claude Sonnet 5 の導入価格が終了 |
| 9/1 | GitHub Copilot で 6 モデルが廃止 |
いずれも作業自体は小さく、確認と周知が本体です。1 回の作業時間を取って、上から順に見ていくのが結局いちばん早いです。
該当するものだけを拾ってください。使っていないツールの分は読み飛ばして構いません。それぞれの詳細は Claude Code の auto mode が 8/14 からデフォルトに、Claude Sonnet 5 の導入価格が 8/31 終了、GitHub Copilot で 6 モデルが 9/1 廃止 にまとめています。
期日を過ぎてしまったら
万一、8 月 31 日を過ぎてから気づいた場合の話も書いておきます。やることは同じで、置き換えるだけです。 復旧のために特別な手順は要りません。
問題になるのは、その間に動かなかった処理があるかどうか です。定期実行に組み込んでいた場合、失敗していた期間の分は自動では埋まりません。
確認する順番はこうなります。
- 置き換えて、動くようにする
- いつから失敗していたかを確認する
- その期間に必要だった処理を、手動で流し直すか判断する
3 番は業務によります。毎日流していたレポートなら埋め直す価値がありますが、監視のように「その時点で意味がある」処理なら遡っても仕方がありません。 ここは中身次第です。
いずれにせよ、期日前に済ませておけばこの判断そのものが発生しません。 数分の作業を先に済ませる価値は、ここにあります。
移行のついでに見直すなら
モデルが変わるタイミングは、指定そのものを見直す機会 でもあります。
見直しの観点は 2 つです。
そのモデルを明示している理由があるか。 既定のままで足りるなら、指定を外しておくほうが次回の廃止で作業が発生しません。
mini を使っている箇所は、それでよいか。 軽いモデルを選んでいる理由が「速いから」なら妥当ですが、「なんとなく」なら見直す価値があります。
とくに mini は、費用を抑えるつもりで選んだまま忘れられている ことが多い部類です。定期実行で回している処理なら、そのまま置き換えて構いません。一方、結果を人が読んで判断する処理なら、上の世代に寄せたほうが手戻りが減る場合があります。判断の材料は、やり直しにかかっている時間 です。
モデル選定そのものの考え方は AI コーディングツールの選び方 に整理しています。Codex の実践的な使い方は OpenAI Codex のコーディングパターン にまとめています。
Codex と他のツールの使い分けまで踏み込むなら、Claude Code vs Codex 実務比較 2026 も参考になります。廃止を機に乗り換えを検討するのは自然な流れですが、移行のコストは今回の置き換えより桁違いに大きい ので、そこは分けて考えてください。今回は数分で終わる作業です。
まとめ
- Codex で GPT-5.4 と GPT-5.4 mini が 2026 年 8 月 31 日に終了する
- 影響するのは ChatGPT ログインの場合のみ。API キー認証と OpenAI API 経由は継続
- 移行先は
gpt-5.6-terraとgpt-5.6-luna。使い方を変える必要はない - 直す場所は 5 箇所。定期実行タスクとカスタムエージェントが見落としやすい
- 定期実行は置き換え後に 1 回流して確認する。次回実行を待たない
- 告知は Codex 専用の changelog にある。API の廃止一覧には載っていない
- 今月は期限のある変更が 4 件重なっている。1 回の作業時間でまとめて片付ける
