GPT-6.1 Terra が Copilot と Codex に追加された

GitHub は 2026 年 10 月 26 日付の告知で、GPT-6.1 Terra の Copilot での一般提供を発表しました。GitHub は、日常的なエージェント型コーディングとターミナル作業向けで、GPT-6.1 Sol より低コストなモデルと説明しています。一次情報は GitHub の変更履歴 です。OpenAI も ChatGPT の変更履歴 で、ChatGPT Work と Codex への追加を発表しています。

本記事は、GitHub の変更履歴、GitHub Docs のモデル一覧と料金表、OpenAI のモデルページを 2026 年 10 月 28 日に確認した内容に基づきます。

旧世代の GPT-5.6 Terra は別のモデルで、Copilot から廃止される予定です。そちらは 11 月 16 日の廃止の記事 で扱っています。本記事で扱うのは GPT-6.1 Terra です。

FIXITFIXIT

Terra って、廃止になるやつじゃなかった?

TsumikiTsumiki

廃止予定なのは GPT-5.6 Terra です。今回の GPT-6.1 Terra は別のモデルです。

GPT-6.1 Sol との違い

Terra と Sol の主な違いは、料金、Copilot の対象プラン、Auto モデル選択への対応です。API のコンテキスト長と最大出力は同じです。

項目GPT-6.1 TerraGPT-6.1 Sol
Copilot の対象プランPro・Pro+・Max・Business・EnterprisePro+・Max・Business・Enterprise
入力 (100 万トークン、272K 以下)$1.00$2.00
出力 (100 万トークン、272K 以下)$5.00$10.00
コンテキスト長 (API)1,050,000 トークン1,050,000 トークン
最大出力 (API)128,000 トークン128,000 トークン
推論の強さ (API)none・low・medium・high・xhigh・maxlow・medium・high・xhigh・max
知識のカットオフ (API)2026 年 6 月 1 日2026 年 4 月 30 日
Copilot の Auto モデル選択未掲載Cloud agent・Chat・CLI・Copilot app

単価は GitHub Docs の料金表 の Default 区分で、Terra は Sol の半額です。API の仕様は OpenAI のモデルページ、Copilot の対象プランは Sol の提供開始時の告知 に基づきます。Auto の対応は GitHub Docs のモデル一覧 を参照しています。

対象プランの行は、それぞれの提供開始時の告知を比較したものです。Sol の告知には Copilot Pro の記載がなく、Terra の告知には Pro が含まれます。現在利用できるかどうかは、契約プランとモデルピッカーの表示で確認してください。

GitHub は、初期評価で GPT-5.6 Terra より多くのターミナル操作や C# の課題を解いたと説明しています。また、範囲を絞った作業を少ない手順にまとめて進める点も挙げています。ただし、具体的な評価条件や Sol との比較スコアは公表していません。料金の差だけで、性能まで同等だと判断することはできません。

Copilot で使える条件

Copilot では、次のプランと環境でモデルピッカーから選べます。

  • 対象プランは Copilot Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise
  • 選べる場所は VS Code、Visual Studio、Copilot CLI、GitHub Copilot cloud agent、GitHub Copilot app、GitHub の Web 版、GitHub Mobile (iOS・Android)、JetBrains IDE、Xcode、Eclipse のモデルピッカー
  • 展開は段階的。見えない場合は少し待ってから確認する

GitHub Docs のモデル一覧 では、GPT-6.1 Terra は一般提供で、1M のコンテキストと推論の強さの設定に対応しています。ただし Auto モデル選択の表には載っていません。Auto に任せている人は、Terra が自動で選ばれる前提にしないでください。Auto の仕組みは Copilot の自動モデル選択の記事 にまとめています。

料金と倍率

GitHub は、提供元の定価による従量課金と案内しています。提供開始の告知にモデル倍率の記載はありません。GitHub Docs のトークン単価は次のとおりです。

入力トークン数入力キャッシュ入力キャッシュ書き込み出力
272K 以下$1.00$0.05$1.25$5.00
272K 超$2.00$0.10$2.50$7.50

いずれも 100 万トークンあたりです。料金表によると、合計は AI クレジットに換算され、1 AI クレジットは $0.01 です。入力・出力・キャッシュの各料金を合算して換算します。たとえば $1.00 分の利用は、100 AI クレジットに相当します。

コンテキストを長くしたり推論の強さを上げたりすると、消費する AI クレジットも変わります。課金の仕組み全体は Copilot の課金変更の記事 で扱っています。

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Sol より安いなら、全部 Terra にすればいいの?

TsumikiTsumiki

単価は半分でも、Sol と同じ結果になるとは限りません。普段の作業で品質と費用を比べましょう。

単価を業務の予算に換算する

料金を見積もるときは、入力・キャッシュ入力・キャッシュ書き込み・出力を分け、それぞれのトークン数に単価を掛けます。単価の単位は 100 万トークンなので、トークン数を 100 万で割ってから計算してください。入力の総量をすべて通常入力として計算したうえで、同じ分のキャッシュ入力を重ねて足すと、見積もりが過大になります。

たとえば、入力が通常入力 20,000 トークンとキャッシュ入力 80,000 トークン、出力が 5,000 トークンだったと仮定します。入力合計は 100,000 トークンで、272K 以下の区分です。キャッシュ書き込みを含めない場合の計算は、次のようになります。これは単価の読み方を示す架空の例で、実際の作業で得た測定値ではありません。

  • 通常入力は 20,000 ÷ 1,000,000 × $1.00 で $0.020
  • キャッシュ入力は 80,000 ÷ 1,000,000 × $0.05 で $0.004
  • 出力は 5,000 ÷ 1,000,000 × $5.00 で $0.025
  • 合計は $0.049 で、AI クレジットへの換算値は 4.9

同じ内訳の処理を 100 回行った場合の換算値は、$4.90、490 AI クレジットです。キャッシュ書き込みが発生すれば、その料金をさらに加えます。ここで求めたのは、トークン単価から計算した利用料金とクレジット数です。プランの月額料金や追加請求額とは区別します。

GitHub の料金説明では、個人向けプランはプラン別の AI クレジットを含み、Business・Enterprise は利用者分のクレジットを請求主体の単位でまとめます。トークンの換算値だけで請求額を決めず、契約に含まれる枠と追加利用の扱いも確認してください。また、既存の年払い Pro・Pro+ でリクエスト単位の課金が適用されている契約には、モデル倍率の別案内があります。上の計算を使う前に、自分の契約が従量課金かどうかを確認してください。

272K の境界とキャッシュで見積もりを分ける

料金表の 272K は、入力トークン数の境界です。出力はこの境界の判定に含めません。コンテキスト長の 1,050,000 トークンと、この料金区分は別の条件です。長い入力を扱えるモデルであっても、すべての入力長で同じ単価になるわけではありません。

API で入力が 272K を超えた場合、そのリクエスト全体に長いコンテキスト向けの単価が適用されます。超過分だけに適用される料金ではありません。入力が境界の近くにある処理は、通常区分の単価だけで計算すると、実際の費用を低く見積もる可能性があります。予算を作る際は、入力が 272K 以下の処理と、それを超える処理を分けると計算しやすくなります。

キャッシュ入力とキャッシュ書き込みも、同じ料金ではありません。Copilot の表では、通常区分のキャッシュ入力は $0.05、書き込みは $1.25 です。再利用したトークンの単価だけで見積もると、書き込み分が抜けます。実際の料金を比較する際は、何トークンを送ったかに加えて、どの区分として計上されたかも必要です。

Codex と ChatGPT Work で使える条件

OpenAI の 2026 年 10 月 26 日付の変更履歴では、提供範囲を次のように案内しています。

  • 追加先は ChatGPT Work と Codex。通常の Chat は対象外
  • 対象プランは Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu。Enterprise はワークスペースでの提供状況と管理者の設定に左右される
  • ChatGPT のデスクトップアプリでは、モデル一覧の Advanced から選ぶ。ChatGPT Work は Web とモバイルで使える
  • UAE の推論リージョン指定には対応しない

Codex や ChatGPT Work での具体的な利用上限や追加料金は、この変更履歴では案内されていません。契約しているプランの上限は、ChatGPT の料金ページと管理画面で確認してください。

API の標準単価は、入力 $1・キャッシュ入力 $0.05・出力 $5 (100 万トークンあたり) です。キャッシュ書き込みは保持時間によって異なり、30 分が $1.25、12 時間が $2.50 です。入力が 272K を超えるリクエストは、全体に対して入力・キャッシュ関連の単価が 2 倍、出力単価が 1.5 倍になります。Chat Completions、Responses、Batch に対応し、ツール呼び出しには Responses API が必要です。

API の単価を Copilot や Work の契約と混同しない

API を自社のプログラムから使う場合は、モデルページの標準単価に加え、利用する処理方式の料金も確認してください。OpenAI は Terra について、Batch と Flex は標準料金より 50% 低く、Fast モードは 2 倍、対応する地域別処理は 10% の追加料金と案内しています。これらは API の料金条件であり、Copilot や ChatGPT Work のモデル選択にそのまま当てはめるものではありません。

キャッシュの保持時間も API 側の試算項目です。入力 100,000 トークンを書き込むと仮定すると、30 分保持の書き込み単価で $0.125、12 時間保持では $0.25 になります。いずれも長いコンテキスト向けの調整前で、入力・出力などの料金は別です。保持時間を延ばした場合の追加額を、後続の処理で再利用できる量と合わせて検討してください。保持時間を延ばせば必ず総額が下がる、とは限りません。

また、API でツールを呼び出す実装には Responses API が必要です。Chat Completions に対応していることと、そこで同じツール構成を使えることは別です。既存のプログラムを切り替える場合は、モデル名だけでなく、接続先の API とツールの呼び出し方も、移行時の確認項目に含めてください。モデル単価が同じでも、契約や実装の条件まで一致するとは限りません。

Business・Enterprise の管理者が確認すること

Copilot Business・Enterprise では、管理者がモデルへのアクセスを管理できます。

  • Business と Enterprise の管理者は、Copilot 設定のモデルポリシーでアクセスを管理する
  • 新しいモデルは、グローバル既定が有効で、Terra を個別に無効化していない場合に、自動で有効になる

グローバル既定が有効で、Terra を個別に無効化していない組織では、段階的な展開に伴って利用者が Terra を選べるようになります。利用モデルを制限している場合は、次の 3 点を確認してください。

  1. グローバル既定が有効か無効かを確認する
  2. 利用を認めていないモデルが、個別に無効化されているかを確認する
  3. 利用者の画面で、モデルピッカーの表示を確認する

告知は、モデルポリシーの詳しい設定手順や、組織の予算への影響には触れていません。既定の有効化の仕組みは、Copilot の既定の有効化ポリシーの記事 で扱っています。

「表示されない」ときは契約・設定・利用環境を分ける

Terra がモデルピッカーに見えない場合、すぐにプラン変更や設定の解除を行う必要はありません。GitHub は段階的に提供すると案内しているため、未展開の可能性もあります。まず、対象プランのアカウントで利用しているかを確認してください。組織の契約で使う場合は、利用者の画面だけで判断せず、管理者側のモデルポリシーも確認してください。

次に、どのクライアントで表示されないのかを整理してください。提供開始の告知は VS Code、CLI、Web など複数の環境を挙げていますが、利用者が実際に使う環境で選べることまで確認して、チームの導入手順に反映するのが現実的です。これは本記事の運用上の提案です。Web 版で見えたという報告だけをもとに、全員の IDE や CLI でも選べる前提にはしません。

問い合わせや社内の確認には、モデルの完全な名前、契約プラン、利用環境、確認日時、モデルピッカーの表示状況を添えると、条件をそろえて話せます。「Terra が使えない」だけでは、GPT-5.6 Terra の話なのか GPT-6.1 Terra の話なのかも区別できません。利用を認めていないモデルまで広く有効化する前に、必要なモデルと設定を特定してください。

ChatGPT 側では、対象となる Work または Codex のモデル一覧を開きます。通常の Chat は対象外です。Enterprise の場合はワークスペースでの提供状況と管理者の設定が関係します。Copilot のモデルポリシーを変更しても、別契約の ChatGPT の提供条件が変わるわけではないため、確認先を分けてください。

GPT-5.6 Terra の廃止との関係

2026 年 11 月 16 日に、Copilot の全機能で GPT-5.6 Terra が廃止されます。GitHub が挙げている推奨代替は、GPT-6.1 Sol または GPT-6 Luna です。GPT-6.1 Terra は、その発表では代替に挙がっていません。

GPT-5.6 Terra を使い続けている人は、移行先の候補に GPT-6.1 Terra を加えて検討できます。ただし、GPT-6.1 Terra が公式の推奨代替になったという記載は、確認できた範囲にありません。

使っているモデル今回の提供で変わること
GPT-5.6 Terra11 月 16 日の廃止は変わらない。移行先の選択肢が増える
GPT-6.1 Sol変わらない。低コストの選択肢として比べられる
GPT-6 Luna変わらない

選ぶときの考え方

Sol からの切り替えを検討するなら、普段の作業で結果と費用を比較する方法があります。次の手順は、公式の推奨ではなく本記事の提案です。

  1. 普段の作業から、代表的な依頼を 3〜5 件選ぶ
  2. 同じリポジトリ、同じ依頼文で、Sol と Terra の結果を比べる
  3. 比べる軸は、テストの成否、人が直した量、消費したクレジットにする
  4. 品質に差が出ない作業は Terra、Sol のほうが修正を減らせる作業は Sol、というように結果に応じて使い分ける

Terra は、API の推論の強さに none を選べます。Sol には無い選択肢です。ただし、none で十分な品質が得られるかどうかも、対象の作業で評価してください。

比較は「一度の応答」から「完了までの作業」に広げる

単価が半分でも、同じ仕事を終えるまでの費用が半分になるとは限りません。使い分けを判断する際は、最初の応答にかかった量だけでなく、追加の指示、やり直し、最後の確認までを 1 つの作業として比べる方法があります。Terra のほうが少ない費用で済む作業も、修正が増えて差が縮まる作業も、実際の結果が出るまでは決めつけません。

比較用の依頼は、完了条件を先に決めてください。たとえば不具合修正なら、対象のテストが通ることに加えて、既存機能のテスト結果と差分を確認します。説明文の作成なら、指定した内容が抜けていないか、元資料にない事実を足していないかが確認項目です。コーディングの試験結果だけで、文書作成や画面操作の用途まで評価したことにはしません。

結果を記録するときは、モデル名、推論の強さ、渡した資料、完了の可否、手直しの内容、利用量を残します。API の none と high を混ぜて平均したり、Auto が選んだ別モデルの結果を Terra の成績に含めたりすると、比較の条件が変わります。まず条件をそろえて違いを確認し、その後で用途に合う設定を探す順序なら、何を変えた結果なのか追いやすくなります。

この記録方法なら、社内の比較条件をそろえられます。すべての作業を一度に切り替える判断が難しい場合は、評価を終えた作業から利用対象に加える方法もあります。料金だけで一括変更するより、任せる作業と確認する担当者を具体的に決められます。

チームで使い分けるための管理項目

AI 駆動開発のクリエイティブスタジオである FIXIT では、AI 開発ツールのモデルが頻繁に入れ替わる前提で、使うモデルを作業の種類ごとに決めておく運用を勧めています。モデル名、対象プラン、単価、確認日を一覧にしておくと、新しいモデルが出たときも、既存のモデルとの比較項目を決めやすくなります。

本記事は公式情報に基づく解説です。FIXIT による GPT-6.1 Terra の性能検証結果を示すものではありません。

まとめ

GPT-6.1 Terra は、Copilot では Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise で、Codex と ChatGPT Work では Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu が対象です。単価は Sol の半額で、Copilot の告知に倍率の記載はありません。Sol との性能比較の数値は公表されていません。

次の一歩は、普段の作業から代表的な依頼を選び、Sol と Terra で結果を比べることです。管理者は、モデルポリシーのグローバル既定と、Terra の個別設定を確認してください。モデル更新への対応や、チームでの使い分けを整えたい場合は、AI 開発ツール定着支援 でご相談いただけます。現在の利用環境を踏まえて検討したい場合は、お問い合わせ からご連絡ください。GPT-6 世代全体の特徴は GPT-6 Sol・Luna の解説 と OpenAI DevDay 2026 のまとめ で解説しています。