Codex CLI 0.157.0 で Amazon Bedrock 対応と GPT-6 Sol・Luna が同時に来た

Codex CLI 0.157.0 が公開されました。変更履歴に記載された日付は 2026 年 9 月 25 日です。今回の中心は GPT-6 Sol・Luna の追加ですが、それだけではなく、Amazon Bedrock 対応の拡張と、旧モデルからの移行プロンプトが同じリリースにまとまって入っています。

まず全体を一覧で確認します。

変更点内容
GPT-6 Sol・Luna の追加Amazon Bedrock 対応と、旧モデルからの移行プロンプトを含む
フルスクリーン文字起こし既定で有効化
テキスト選択shift-click で選択範囲を拡張できるように
daemon の自動起動対話セッションが条件を満たす場合に、バックグラウンドサーバーが自動起動
会話のフォークf ショートカットで、下書き・キュー中のプロンプトを保持したまま分岐
/import の対象拡大リモートセッション・ローカル daemon セッションでも利用可能に
ターミナルの表示対応Unicode の記号・チェックボックス・数式表示に対応

GPT-6 Sol・Luna 自体の料金・提供範囲・GPT-5.5 からの移行判断は、この記事の範囲外です。詳しくは GPT-6 Sol・Luna とは にまとめているので、そちらを参照してください。本記事では、Bedrock 経由で 0.157.0 を設定するときに必要な情報と、0.157.0 のその他の変更点に絞ります。

補足

2026 年 9 月 23 日時点では、Amazon Bedrock のガイドに GPT-6 Sol・Luna はまだ掲載されていませんでした。0.157.0 (変更履歴の記載は 2026 年 9 月 25 日、基準タイムゾーンの記載は無し) はその直後の公開で、Bedrock 側の対応が短期間で追加されたことになります。

Amazon Bedrock は AWS が提供する基盤モデルのマネージドサービスで、OpenAI 以外にも複数のベンダーのモデルを、AWS のアカウント・IAM・請求の枠内で呼び出せるようにする仕組みです。Codex CLI は、この Bedrock を経由して GPT-6 Astra・GPT-6 Sol・GPT-6 Luna などを呼び出せます。以降では、実際の設定方法を説明します。

Amazon Bedrock 経由で Codex CLI を使う設定

認証方法は 2 つ、優先順位がある

Codex CLI が Amazon Bedrock に接続するときの認証方法は 2 つあり、優先順位が決まっています。

  1. Bedrock API キーを使う方法。環境変数 AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK に設定する
  2. AWS SDK の認証情報チェーンを使う方法。AWS_ACCESS_KEY_ID ・AWS_SECRET_ACCESS_KEY ・AWS_REGION を環境変数に設定し、SigV4 署名で自動的に処理される

Bedrock API キーが設定されていれば、そちらが優先されます。設定されていない場合に、AWS SDK の認証情報チェーンへフォールバックする、という順序です。

# Bedrock API キーを使う場合
export AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK="<Bedrock API キー>"
 
# AWS SDK の認証情報チェーンを使う場合
export AWS_ACCESS_KEY_ID="<アクセスキー ID>"
export AWS_SECRET_ACCESS_KEY="<シークレットアクセスキー>"
export AWS_REGION="us-east-1"

要点

どちらの方法も、認証情報は AWS 側で発行・管理します。OpenAI と別に契約や API キーの発行を増やす必要はありません。情シス側の審査を通す対象が「AWS の権限をどう割り当てるか」に一本化される点が、Bedrock 経由を検討する動機になります。

Bedrock Runtime と Bedrock Mantle で config.toml の書き方が違う

Amazon Bedrock には、Bedrock Runtime (クロスリージョン推論) と Bedrock Mantle (リージョン内推論) という 2 つのエンドポイント系統があります。~/.codex/config.toml に書く内容は、どちらを使うかで変わります。

Bedrock Runtime を使う場合です。

model_provider = "amazon-bedrock-runtime"
model = "global.openai.gpt-6-sol"

Bedrock Mantle を使う場合です。

model_provider = "amazon-bedrock"
model = "openai.gpt-6-sol"

見た目の違いは 2 点です。model_provider の値に -runtime が付くかどうかと、model の値に global. の接頭辞が付くかどうかです。この 2 点をどちらか一方だけ変えて「Runtime の provider に Mantle 用のモデル ID を指定する」といった組み合わせにすると、モデルが見つからないエラーになります。Runtime と Mantle は別のエンドポイントなので、2 つの値は必ずセットで揃えてください。

FIXITFIXIT

Runtime と Mantle、結局どっちを使えばいいの?

DodaiDodai

使い分けの基準は一次情報に記載がありません。今の設定がどちらかを、まず確認してください。

FIXITFIXIT

えっ、決め方も書いてないの?

DodaiDodai

公開情報にはリージョンとモデル ID の対応表しかありません。運用中の構成があるなら、そちらに合わせるのが安全です。

対応リージョンと、ドキュメントに残る us-east-2 の設定例をどう読むか

現時点の公式ドキュメントは、Amazon Bedrock の対応リージョンを us-east-1 (バージニア北部) としています。Bedrock Runtime・Bedrock Mantle のどちらも、このリージョンで利用できるという記載です。

一方で、同じドキュメント群の設定例には、次のような環境変数の指定が残っています。

export AWS_REGION=us-east-2

対応リージョンが us-east-1 とされているにもかかわらず、設定例の値が us-east-2 になっている状態です。どちらが最新の正しい値かは、本記事の一次情報からは断定できません。ドキュメント間で表記が割れている可能性があるため、設定前に公式ページを開いて、その時点の記載を確認してください。

この食い違いは、他の解説記事にも影響しています。2026 年 6 月に公開されたある解説記事は、us-east-2 を明示し「他リージョンでは 404 エラーが発生する」と断定していました。公開時点では正しかった可能性がありますが、現在の公式ドキュメントの記載とは一致しません。Bedrock 関連の情報は更新される頻度が高く、数か月前の記事の断定を鵜呑みにすると、設定作業がそこで止まります。

注意

記事や解説動画がリージョンを断定していても、それは取得時点のスナップショットです。Codex CLI の Bedrock 対応リージョンは、設定するたびに公式ページで確認する運用に変えるほうが安全です。

料金は直接契約と同額。実額は既存記事へ

料金についての一次情報の記載は、「商用リージョンでは OpenAI の直接価格 (API 単価) と一致する」という 1 文だけです。Bedrock 経由にしたからといって、単価が別に発生するわけではないという位置づけです。

ただし、実際の課金額 (USD) を一覧にした情報は、本記事の一次情報には含まれていません。GPT-6 Sol・Luna の API 単価そのものは、後述の関連記事にまとめた単価表で確認してください。本記事側では実額を再掲しません。

使えるモデル ID 一覧 — Runtime と Mantle で書式が違う

Amazon Bedrock 経由で指定できるモデル ID は、Runtime (Global CRIS)・Runtime (United States Geo CRIS)・Mantle の 3 系統に分かれます。0.157.0 でどの系統にも GPT-6 Sol・Luna が追加されました。

モデルRuntime (Global CRIS)Runtime (US Geo CRIS)Mantle
GPT-6 Astraglobal.openai.gpt-6-astraus.openai.gpt-6-astraopenai.gpt-6-astra
GPT-6 Solglobal.openai.gpt-6-solus.openai.gpt-6-solopenai.gpt-6-sol
GPT-6 Lunaglobal.openai.gpt-6-lunaus.openai.gpt-6-lunaopenai.gpt-6-luna
GPT-5.6 Solglobal.openai.gpt-5.6-solus.openai.gpt-5.6-solopenai.gpt-5.6-sol
GPT-5.6 Terraglobal.openai.gpt-5.6-terraus.openai.gpt-5.6-terraopenai.gpt-5.6-terra
GPT-5.6 Lunaglobal.openai.gpt-5.6-lunaus.openai.gpt-5.6-lunaopenai.gpt-5.6-luna
GPT-5.5対応なし対応なしopenai.gpt-5.5
GPT-5.4対応なし対応なしopenai.gpt-5.4

読み方のポイントは 2 つです。

  • Global CRIS には global.openai. の接頭辞、US Geo CRIS には us.openai. の接頭辞、Mantle には接頭辞が付かず openai. から始まる、という命名規則が一貫しています
  • GPT-5.5・GPT-5.4 は Mantle だけに残っており、Runtime の 2 系統には含まれていません。GPT-5.5 を Bedrock Runtime 経由で使い続ける設定は、この一覧には存在しません

コツ

既存の Bedrock 運用者が 0.157.0 へ上げるときに確認するのはこの一覧です。認証方法とリージョンの指定はそのままで、model の値を対応するモデル ID に書き換えるだけで新モデルに切り替わります。model_provider を変える必要はありません。

旧モデルからの移行プロンプトとは

変更履歴の原文は次の 1 文です。

including Amazon Bedrock support and migration prompts for older models

日本語にすると「Amazon Bedrock 対応と、旧モデルからの移行プロンプトを含む」となります。ここから確認できるのは、旧モデルを使っているときに、CLI 側で新モデルへの案内が表示される機能があるということだけです。

表示される文言や、どのモデル・どの条件で表示されるかの詳細は、変更履歴に記載がありません。「移行を促すダイアログが出る」「特定のコマンドで案内が表示される」といった具体的な挙動は、一次情報からは確認できないため、本記事では推測を書きません。実際にどう表示されるかは、手元の環境で 0.157.0 にアップグレードして確認してください。

ターミナル UI と CLI の改善点

Bedrock 対応以外にも、0.157.0 には日々の使用感に関わる変更がいくつか入っています。断定できる範囲だけを整理します。

フルスクリーン文字起こしが既定で有効化

フルスクリーン文字起こし (fullscreen transcripts) が、既定で有効になりました。以前はオプトインだった表示が、標準の挙動に変わっています。

shift-click でテキスト選択を拡張

ターミナル上で shift を押しながらクリックすると、選択範囲を拡張できるようになりました。長い出力の一部だけをコピーしたいときに使えます。

対話セッションで daemon が自動起動する (条件は非公開)

対話セッションが条件を満たす場合に、バックグラウンドサーバー (daemon) が自動起動するようになりました。サーバー設定が非互換のときのリカバリ選択肢も追加されています。

どのプラットフォーム・どの認証方式が「条件を満たす対話セッション」に当たるかは、変更履歴に記載がありません。 リカバリ選択肢の具体的な内容も同様です。自動起動そのものが挙動として存在することは確認できますが、発生条件を断定して書くと、実際の挙動と食い違う可能性があります。

注意

CI やバッチ処理で Codex CLI を動かしている場合、daemon の自動起動が意図しないプロセスを増やす可能性があります。0.157.0 へ上げる前に、対話的でない実行環境でこの挙動がどう出るかを、まず手元で確認してください。

会話をフォークする f ショートカット

別アプリで開いている会話をフォークする f ショートカットが追加されました。下書きやキュー中のプロンプトを保持したまま、別の会話に分岐できます。あわせて、/import がリモートセッション・ローカル daemon セッションでも使えるようになりました。これまでローカルの通常セッションに限られていた /import の対象が広がりました。

ターミナルのレンダリングも、Unicode の記号・チェックボックス・数式表示に対応しています。日本語以外の特殊記号を含む出力を扱う場合、表示が崩れにくくなります。

導入前に確認すること (企業のガバナンス視点)

Bedrock 経由の設定そのものは前述のとおりですが、社内で導入を判断する立場では、設定手順の前に確認しておきたい点があります。

Amazon Bedrock は AWS のサービスなので、Codex CLI を Bedrock 経由で呼び出す設定にすると、認証情報は Bedrock API キーまたは AWS の認証情報チェーンのいずれかに一本化されます。OpenAI と別に API キーを発行・管理する必要が無くなる分、権限の割り当てとローテーションは、既存の AWS の運用ルールに従って設計する対象になります。新しいベンダーとの契約を増やさずに済むかどうかは、この認証情報の一本化がどこまで社内の審査プロセスと噛み合うかで決まります。

一方で、AWS 環境そのものをこれから構築・整備する段階の会社にとっては、Bedrock 経由の設定よりも、前提条件である AWS 環境の構築のほうが大きな検討事項になります。IAM のロール設計やリージョンの選定を含めた AWS 環境の構築は、AWS 構築・移行支援 の領域です。

既存の Bedrock 運用者にとっては、0.157.0 へのアップグレードで確認すべき点は次の 2 つに絞られます。認証方法の優先順位 (Bedrock API キーが優先) は今回変わっていないため、既存の設定を変える必要はありません。モデル ID を GPT-6 Sol・Luna に切り替える場合は、前述の一覧表のとおり model の値だけを書き換えます。

FIXITFIXIT

結局、Bedrock 経由にすれば新しい契約は増えないの?

DodaiDodai

認証情報は AWS 側に一本化できます。ただ審査を通すかどうかは、各社の社内ルール次第です。

FIXITFIXIT

じゃあ、まず何を見ればいいの?

今の AWS の権限設計に、Bedrock の呼び出し権限をどう乗せるかです。

DodaiDodai

そこが決まっていないなら、導入の検討が設定手順より先に詰まります。

社内で複数の AI コーディングツールを併用している場合、Codex CLI だけでなく Claude Code などの導入・運用ルールを合わせて整理したいという相談も増えています。ツールごとに個別最適化した設定が積み重なると、後から棚卸しする負担が大きくなるためです。

まとめ

Codex CLI 0.157.0 で押さえておきたい点は 3 つです。認証は Bedrock API キーが優先で、無ければ AWS SDK の認証情報チェーンにフォールバックします。config.toml は Bedrock Runtime と Bedrock Mantle で model_provider と model の書式が異なり、どちらか一方だけを変えると動きません。対応リージョンは公式に us-east-1 とされていますが、設定例には us-east-2 が残っているため、断定せずに都度公式ページで確認してください。

GPT-6 Sol・Luna の料金や提供範囲を含めた全体像は GPT-6 Sol・Luna とは にまとめています。同じ GPT-6 系のロールアウトでは、GPT-6 Astra とは も AWS Bedrock への言及があるので、背景を知りたい場合はあわせて確認してください。Codex 側のモデル終了に関する変更は Bedrock 対応とは別件で、Codex で GPT-5.4 が 8/31 終了 にまとめています。

複数の AI コーディングツールを AWS の枠内でガバナンスしたい、あるいは導入判断の材料を整理したいという場合は、AI 開発ツール定着支援 でご相談いただけます。AWS 環境そのものの構築・移行を検討している場合は AWS 構築・移行支援 が窓口です。どこから確認すればよいか迷っている場合は、お問い合わせ からご連絡ください。

出典は Codex の変更履歴 (2026 年 9 月 25 日付)、Amazon Bedrock の利用ガイド (OpenAI 開発者向けドキュメント)、Codex での Amazon Bedrock 設定ガイド です。