AI 研修の相場を調べても、「1 名分の受講料」と「部門全体の研修費」が混在していては、予算の妥当性を説明できません。DX 推進部門が稟議に添えたいのは、平均額だけでなく「誰が、何時間受け、何を持ち帰る費用なのか」という根拠です。
この記事では、価格を形式・人数・時間に分け、見積書を 1 名単価と時間単価に直す手順を示します。定価と助成金適用後の負担額も分けて確認しましょう。価格の確認日は 2026 年 9 月 21 日です。
FIXIT金額だけ見ても、高いのか安いのか分からないよ。
Shiori分かれ目は 1 つで、人数と時間の条件がそろっているかです。同じ条件で割り直してから、含まれる内容を確認しましょう。
AI 研修の費用相場|形式・人数・時間の早見表
下表は、確認できた公開価格の例と、見積もりが必要な形式を整理したものです。市場全体の平均額や、同じ内容の研修を比較する表ではありません。税込の公開価格は原表記を残し、自社価格は税抜で記載しました。
| 形式・価格例 | 人数と時間 | 実施方法 | 費用の単位・条件 |
|---|---|---|---|
| e ラーニング・定額制 | 契約 ID 数と受講予定時間を指定 | 動画などのオンライン受講 | 月額・年額、最低 ID 数、初期費用を確認。条件付きの一次価格を確認できていないため金額は掲載しない |
| インソース「半日研修・ChatGPT のはじめ方研修」 | 1 名から参加・半日。正確な時間数は申込日程で確認 | オンライン・東京・大阪 | 1 名 24,400 円 (税込・会員価格) |
| 講師派遣型 | 自社の参加人数と講師の拘束時間を指定 | 自社会場など。オンライン対応も個別確認 | 1 社単位で見積もり。人数・日数・教材調整などを指定する |
| 個別設計型の例・FIXIT「生成 AI 実務活用研修」 | 定員 30 名・半日 × 3 回・計 12 時間 | 自社資料を用いた集合形式。オンライン・対面の条件は見積もりで確定 | 1 社 1,000,000 円 (税抜)、定員受講時は 1 名約 33,333 円 (税抜・助成前) |
インソースの金額・開催形式は 生成 AI 活用研修の公開講座一覧、半日の講座内容は 講座詳細 を参照しました (取得日 2026 年 9 月 21 日)。会員価格を誰でも適用される価格として扱わず、申込条件と開催日程を確認してください。FIXIT の例は AI 活用研修の料金 に基づきます。
e ラーニング・定額制は、契約期間と実際に学ぶ人数を確認する
月額の安さだけでは、研修全体の費用は分かりません。最低契約期間、最低 ID 数、管理機能の料金を含めて予算を組みます。全社員に ID を配る場合も、契約人数と実際の受講予定人数を分けて書くと、未利用分の費用を把握できます。
公開講座は、共通の内容を少人数で学ぶ場合に検討する
公開講座は、内容と日程が決まった講座に席を申し込む形式です。購入する単位が 1 名分なので、参加人数を確定すれば受講料を計算できます。ただし、自社の資料を教材にする作業や社内ルールの作成まで含まれるかは別に確認しましょう。
講師派遣型・個別設計型は、企業単位の準備費を確認する
講師派遣は講師の手配方法を、個別設計は教材や演習の調整範囲を表します。両者は重なる場合があります。FIXIT のような個別研修も、公開された定員・時間の条件から外れる場合は追加の見積もりが必要です。
見積書を比べる前に、1 名単価と 1 時間単価に直す
単価の計算では、各社の税区分をそろえ、助成前の総額を使います。受講人数には定員ではなく、実際の受講予定人数を入れてください。
1 名単価 (円 / 名) = 研修総額 (円) ÷ 受講予定人数 (名)
1 名・1 時間単価 (円 / 名 / 時間)
= 研修総額 (円) ÷ 受講予定人数 (名) ÷ 1 名あたりの研修時間 (時間)「1 時間単価」が講師 1 人の登壇料なのか、受講者 1 名分なのかを混同しないよう、稟議には「円 / 名 / 時間」まで記載します。受講者ごとに時間が違う場合は、総額を全員の受講時間の合計で割ってください。
FIXIT の標準プランを換算する例
AI 駆動開発研修の標準プランは、1 社 2,500,000 円 (税抜)、定員 20 名、2 日間・計 12 時間です。オンライン・対面などの実施条件は見積もりで確定します。定員で受講する場合の計算は次のとおりです。
2,500,000 円 ÷ 20 名 = 125,000 円 / 名
2,500,000 円 ÷ 20 名 ÷ 12 時間 ≒ 10,417 円 / 名 / 時間どちらも税抜・助成前で、時間単価は円未満を四捨五入しています。教材の準備費などを含む研修全体の単価であり、講師の時給ではありません。
動画の総時間と、受講予定時間を混ぜない
e ラーニングを同じ式に入れるときは、配信されている全講座の時間ではなく、自社が受ける講座の予定時間を使います。契約期間中に学ぶ内容が決まっていなければ、時間単価の比較は保留してください。視聴中心の学習と実務演習では身につくものが違うため、単価だけで研修の価値が等しいとは判断できません。
見積書の内訳|総額が変わりにくい費用と、人数に応じて増える費用
人数を増やして 1 名単価を下げられるのは、総額が変わらない費用の部分です。ここでは、総額が人数に連動しにくい固定費と、人数に応じて増える費用に分けます。
| 費用の性質 | 主な項目 | 人数を増やしたときの確認点 |
|---|---|---|
| 同じ開催条件なら総額が変わりにくい費用 | 講師の拘束費、事前設計、教材のカスタマイズ | 参加人数で配分できるため 1 名単価は下がる。ただし追加講師やクラス分割が不要な範囲に限る |
| 人数に応じて増える費用 | 個人用教材、受講者ごとのライセンス、個別添削 | 1 名増えるたびに費用が増え、人数で割っても単価は下がりにくい |
| 人数や日数により段階的に増える費用 | 会場、補助講師、追加開催、移動・宿泊 | 会場の定員や支援できる人数を超えた時点で、追加費用が発生する場合がある |
1 名単価は、概念的には「固定費 ÷ 人数 + 1 名ごとの費用」で説明できます。会場費をすべて人数比例とみなしたり、講師料を人数に関係なく一定とみなしたりすると、実際の見積もりとずれます。
人数を調整する際は、同じ職務・同じ到達目標の人をまとめるのが先です。単価を下げるためだけに異なる部門を集めると、教材の追加調整や演習支援が必要になり、総額が増える可能性があります。
なぜ講師派遣型は個別見積もりになりやすいのか
公開講座は、時間・内容・開催条件を運営側が先に決めるため、1 席の価格を提示できます。企業向け研修では、対象業務、講師の拘束日数、教材の調整、移動などを依頼側と決める必要があります。価格を出すための前提がまだ確定していないことが、個別見積もりになる構造上の理由です。
実際に、インソースの 講師派遣型研修の料金 FAQ には、確認時点で具体的な金額が掲載されていませんでした (取得日 2026 年 9 月 21 日)。一方、先ほどの公開講座には会員価格が表示されています。講師派遣型でも、FIXIT のように定員と時間を固定したプランを公開する例があります。
問い合わせ前は、公開された類似プランに自社の人数・日数を当てはめ、条件の違いを書き出すところまでに留めましょう。公開講座の 1 名価格に人数を掛けても、自社専用の教材設計費までは見積もれません。
安い研修と高い研修は、何が違うのか
価格差の説明には、受講後に残る成果物と、その成果物を作る支援の範囲を使います。「最新の AI が学べる」といった紹介文だけでは、社内で再利用できる内容が分かりません。
| 比較項目 | 見積もり時に確認すること |
|---|---|
| 教材 | 汎用サンプルか、自社の資料・コードか。資料確認や匿名化の作業は誰が担当するか |
| 成果物 | 資料の配布までか、プロンプト集・利用ルール・設定・レビュー基準の作成までか |
| 講師 | 対象職務の理解、質問対応の範囲、実務演習を支援する体制があるか |
| 事後支援 | 質問受付、成果物の修正、効果測定をどの期間・回数まで含むか |
研修専業の講師か実務者かという肩書きだけでは、適合性は判断できません。受講者の前提知識に合わせて説明できるか、自社が求める演習を支援できるかを確認してください。
FIXIT の生成 AI 実務活用研修では、自部門のプロンプト集と生成 AI 利用ルールのたたき台を成果物にしています。開発向け標準プランでは、自社リポジトリに適用した設定一式とレビュー基準が対象です。自社が必要とする成果物を先に決めれば、追加費用の理由を説明できます。
全社向けの内容を決める際は AI リテラシー研修の設計 を参照してください。提案が座学中心になりやすい理由と、発注前に当てる質問は 生成 AI 研修が「意味ない」と言われる構造 にまとめています。ここからは、決めた範囲で相見積もりを取る手順に進みます。
相見積もりの取り方|条件を固定してから依頼する
依頼前にそろえる条件は、対象者、人数、時間数、実施形式、実施時期の 5 項目です。全社研修を一括で依頼する前に、部門ごとの目的と受講時間を切り分けておきましょう。
各社には同じ依頼文を送り、対応できない条件があれば、差分と費用を明記してもらいます。次のひな形を自社の条件で埋めれば、比較の前提を共有できます。
対象者・職務: [部門名、担当業務、現在の AI 利用状況]
受講予定人数: [ ]名
1 名あたりの時間: [ ]時間、全[ ]回
実施形式: [オンライン / 対面、会場所在地]
実施時期: [希望月、候補日]
必要な成果物: [研修後に社内で使う資料・設定など]
研修総額、教材調整費、交通・会場費、ライセンス費、
事後支援費を分け、税込・税抜と追加料金の条件を明記してください。
助成金適用前の金額でご提示ください。稟議には、条件をそろえた総額・単価とともに、成果物と追加費用の有無を記載します。効果測定の報告書がオプションなら、研修費と分けて予算を確保してください。投資回収の説明に使う指標は AI 導入の KPI・ROI 設計 にまとめています。
自部門の資料を使う範囲から相談したい場合は、FIXIT の AI 活用研修 でプログラムと提供内容を確認できます。開発チームの設定・レビュー基準まで作る場合は、AI 駆動開発研修 が対象です。
助成金を使うと実質いくらになるか
助成金を検討する場合も、発注する研修の定価と、支給後の負担額を別に管理します。ここでは経費助成の計算例だけを示し、対象条件や申請期限は AI 研修の助成金ガイド に譲ります。
FIXIT の生成 AI 実務活用研修を定員 30 名・計 12 時間で実施し、中小企業が経費助成 75% の支給決定を受けた場合の試算は、次のとおりです。金額は税抜の研修費を基準としており、支給を保証しません。
研修費 1,000,000 円 − 経費助成 750,000 円 = 自社負担 250,000 円
250,000 円 ÷ 30 名 ≒ 8,333 円 / 名1 名単価は円未満を切り捨てており、人数を掛け戻しても総額とは一致しません。助成金は後払いなので、支給を見込む場合も研修費の全額を先に支払う資金が必要です。
形式と職務関連性を確認してから負担額を計算する
e ラーニング・通信制による訓練には賃金助成が付かず、集合形式とは助成の扱いが異なります。賃金助成は受講中の人件費の一部を補填するもので、受講料の値引きではありません。形式間の比較では、研修費だけでなく人件費と各助成額を分けて確認しましょう。
また、2026 年 8 月 3 日以降の計画届に適用される支給要領では、職務に直接関係しない内容や、職種を問わず必要な共通知識を対象外とする扱いが明記されています。「AI 研修」という名称だけで助成を見込むことはできません。一次情報は 厚生労働省の支給要領、自社の条件を確認する手順は 助成金ガイド を参照してください。
費用で失敗する 3 つのパターン
受講料だけで比べ、社内の負担を計上しない
受講料が安くても、教材の調整や受講後のルール作りを社内で担当するなら、その作業時間が必要です。賃金助成の有無も含め、研修費・社内工数・助成額を別々に記録してください。集合形式を選べば、e ラーニングより助成後の総負担が必ず少なくなる、とは判断できません。
人数を減らせば総額も同じ割合で下がると考える
固定費がある研修では、受講者を半分にしても、研修総額が半額になるとは限りません。人数を減らす場合は、既存プランの人数だけを変更する見積もりと、少人数向けに内容を組み直す見積もりを確認しましょう。演習中の質問対応まで含めて判断してください。
「実質無料」を前提に発注する
助成金の支給を受ける前提で、返金や協賛金を組み合わせた提案には注意が必要です。厚生労働省は、事業主の実際の負担を軽減する返金などを申告せず申請する不正受給について注意喚起しています。契約書と実際の支払いを確認し、疑問があれば契約前に管轄の労働局へ相談してください。厚生労働省・人材開発支援助成金
FIXIT の研修費用|全プランの定価と 1 名単価
FIXIT は AI 駆動開発のクリエイティブスタジオとして、受講企業の資料やリポジトリを教材にする研修を提供しています。以下は 2026 年 9 月 21 日時点の定価です。すべて税抜・1 社あたりの料金で、1 名単価は定員で受講する場合の計算値です。
オンライン・対面の実施条件、交通費やライセンス費、効果測定などのオプションは、見積もり時に含まれる範囲を確認してください。表の定価を、すべての追加費用が含まれる確定総額として扱わないようにしましょう。
AI 活用研修の 3 プログラム
AI 活用研修 の価格帯は、1 社 90 万〜250 万円 (税抜) です。開発職・ビジネス職・リーダー向けに、対象を分けています。
| プログラム | 定員・日程 | 定価 / 社 (税抜) | 定価 ÷ 定員 / 名 (税抜) |
|---|---|---|---|
| A・AI 駆動開発ブートキャンプ | 20 名・2 日間 / 計 12 時間 | 2,500,000 円 | 125,000 円 |
| B・生成 AI 実務活用研修 | 30 名・半日 × 3 回 / 計 12 時間 | 1,000,000 円 | 約 33,333 円 |
| C・AI マルチタスク研修 | 15 名・1 日 + 後日レビュー / 計 10 時間 | 900,000 円 | 60,000 円 |
B の定価ベースの単価は円未満を四捨五入しています。受講予定人数が定員より少ない場合は、定価を予定人数で割り直してください。
AI 駆動開発研修の 5 プラン
AI 駆動開発研修 の標準・実践・定着プランは、1 社 250 万〜680 万円 (税抜) です。少人数プランは、この価格帯とは別に 1 社 160 万円 (税抜) で用意しています。
| プラン | 定員・日程 | 定価 / 社 (税抜) | 定価 ÷ 定員 / 名 (税抜) |
|---|---|---|---|
| 標準 | 20 名・2 日間 / 計 12 時間 | 2,500,000 円 | 125,000 円 |
| 実践 | 20 名・4 日間 / 計 24 時間 | 4,800,000 円 | 240,000 円 |
| 定着 | 20 名・6 日間 / 計 36 時間 | 6,800,000 円 | 340,000 円 |
| 少人数 | 10 名・2 日間 / 計 12 時間 | 1,600,000 円 | 160,000 円 |
| 分割 | 20 名・2 時間 × 6 回 / 計 12 時間 | 2,800,000 円 | 140,000 円 |
標準は設定とレビュー基準の作成、実践は実案件への適用、定着は運用ルールと効果測定の設計までを扱います。分割プランは標準と同じ計 12 時間ですが、開催回数が異なるため定価も同じではありません。AI 活用研修 A と開発向け標準プランは、定員・時間・定価が同じ設定です。
経費助成 75% を受けた場合の負担額
次の表は、中小企業が人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースで経費助成 75% の支給決定を受けた場合の試算です。上の表と同じ定員・日程を前提とし、税抜の研修費から経費助成だけを差し引いています。受給には要件があり、支給を保証するものではありません。
| プラン | 経費助成後の負担 / 社 | 経費助成後の負担 / 名 |
|---|---|---|
| AI 活用研修 A・20 名 | 625,000 円 | 31,250 円 |
| AI 活用研修 B・30 名 | 250,000 円 | 8,333 円 |
| AI 活用研修 C・15 名 | 225,000 円 | 15,000 円 |
| AI 駆動開発研修・標準・20 名 | 625,000 円 | 31,250 円 |
| AI 駆動開発研修・実践・20 名 | 1,200,000 円 | 60,000 円 |
| AI 駆動開発研修・定着・20 名 | 1,700,000 円 | 85,000 円 |
| AI 駆動開発研修・少人数・10 名 | 400,000 円 | 40,000 円 |
| AI 駆動開発研修・分割・20 名 | 700,000 円 | 35,000 円 |
サービスページと同じく、助成後の 1 名単価は円未満を切り捨てています。賃金助成はこの表から差し引いていません。助成金は後払いのため、先に必要な支払額は定価の表と正式な見積書で確認してください。
稟議に書くのは、総額・単価・成果物の根拠
AI 研修の比較では、税区分をそろえた助成前の総額を、受講人数と時間で割ります。そのうえで、教材調整・成果物・事後支援の違いを書けば、価格差を説明する材料になります。
次の作業は、対象者・人数・時間・形式・実施時期の 5 項目を埋め、同じ条件で見積もりを依頼することです。FIXIT へのご相談も、この条件を添えて お問い合わせ からお送りいただけます。



